「空港島埋立事業に係る環境影響評価書」より「活断層」

(1998年10月16日神戸市公表)
●掲載に当たって〜『風見鶏』編集部
※ここで公表するものは10月16日から永久縦覧されている「空港島埋立事業に係る環境影響評価書」の「活断層」の記述を原文のまま全文転載したものです。
※この部分は「準備書」の段階から、多くの学者らによって過小評価が指摘されたにも関わらず、市当局は、アセスメント住民説明会で配った「要約書」から削除しました。さらに「環境影響審査会」は、この項目に訂正を加えず、そのまま「評価書」としてまとめ、市長により「埋立免許願書」に添付されました。大震災で被災した自治体がすることとは思えない、これらの経緯から、この部分について本誌は原文のまま、全文を公表します。

※「空港島埋立事業に係る環境影響評価書」は神戸市役所3号館5階環境審査室で閲覧できますが、内容的には本誌で発表している準備書要旨と、内容はほとんど同じです。


第4章 地域の概況
4-1 自然の概況
4-1-1 地象
(活断層)
 六甲山系の隆起に伴う断層は有馬・高槻・六甲断層帯の名で知られている断層系を構成し、活断層であることが知られている。
 また、事業予定地付近に伏在する活断層(地下深くにある活動部)については、平成7年度に「神戸空港に係る地震対策調査委員会」が実施した深部地盤調査により以下の点が明らかとなった。
  • 断面は海底下2,100m〜2,500mで基盤層にあり、その上は厚い堆積層で覆われている。
  • 海底面での撓曲は認められない。
  • 1000年間で変位速度が1m以下のB級の活動度
 なお、同委員会は上記調査結果を踏まえ経験式や数値シミュレーションによって事業予定地における地震動の規模を推定したところ、最大でも兵庫県南部地震クラスの地震動であり、施設の重要度、地盤の特性に応じて必要な耐震対策をとることにより対応できるとしている。(「神戸空港に係る地震対策調査委員会報告書」(平成7年11月))
 神戸空港では本報告に従い、個別施設の耐震設計、緩傾斜石積護岸の採用、地盤改良等による液状化対策など、施設の重要度や地盤条件に応じた地震対策を講じる。
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