神戸空港島埋立環境アセスメント公聴会公述人全発言

1998年8月9日・兵庫県農業会館大ホール
 本誌では、全公述人の発言をインターネットで公表するに当たり、個人公述人のお名前については、本誌編集部で自主的にお名前を伏せ、頭文字だけとさせていたたきました。そのうち、肩書きを明らかにした人については、その人の立場を明らかにするため、そのまま肩書きを記載しました。
 また、公述内容の掲載に当たり、公述人の意見で、他の公述人の意見と内容が重複する部分は詳しく述べられた方の公述のみを掲載しています。
 なお、発言者の空港計画の立場を明確にするため、発言者名を次のように色分けしました。
●空港反対・凍結派 (22人)

●空港推進派 (11人)

公述順で掲載しています。


●Yさん(男・港島中町、仮設住宅自治会会長)
 仮設住宅居住者の生活のめどが経っていないのに、なぜ空港なのか、その立場で公述する。私の住む仮設住宅では孤独死が13人も出た、その中には死の間際まで「元の家に帰りたい」と言って亡くなった人もいる。仮設居住者は生きて仮設を出たいと思っている。
 去年、自民党の野中(広務・現官房長官、震災担当)幹事長に会う機会があり、そこで、私は仮設の実状を話したら、野中さんは涙を流して聞いてくれた。しかも「神戸市長は私に空港の話ばかりをする。被災者の話は全くしない」と言った。同じ事を自治省の職員も言っている。
 環境問題としては「山、海へ行く開発」は瀬戸内海を死の海にする。評価書案も空港建設を前提に作られているため、その内容は認められない。
 また、橋一本でしかつながっていない空港は震災の教訓から考えても役に立たない。そこに津波が襲った場合はどうなるのか。
 日本の地方空港は80%が赤字。経済危機の時代に空港による経済効果は市がいうほどあるとは思えない。儲かるのは大企業だけではないか。

●Iさん(女・港島中町)
 公述人を中央区民に限ったのは、市の空港反対派つぶしである。
 空港を造るのであれば、起債や市民に負担させるのではなく、空港を推進する市長、商工会議所、市職員の給料をカットして、その費用で造ればよい。
 空港建設よりも世界中の多くの人や船が集まるような港にして、その中で市民の雇用が確保できるような港づくりを市に要望したい。

●Aさん(男・港島中町、市会議員)
 空港建設による大阪湾の環境への影響について市会で議論しているのに中央区民限定の公述人選定は、おかしい。市民全員が公平に意見を述べられるようにするべき。
 市の水利模型実験で、潮流の変化は空港島周辺に限られるとしているが、京大防災研にきくと、神戸空港ができると西宮から大阪市にかけて、ヘドロが堆積しやすくなると言っている。水利模型実験で大阪湾全体に影響がないという結論は問題である。
 市街地と空港島の具体的なアクセスが決まっていないのに「環境への影響は軽微」というのもおかしい。
 市は現時点で3兆円の借金を抱えている。市民一人あたり200万円の借金を背負っている。神戸市民は全国一の借金王である。
 市長は「空港がない都市は衰退する」と発言しているが、大阪市、京都市、川崎市、横浜市といった大都市には空港はない。

●Tさん(男・旗塚通)
 公述人の中央区民限定は、環境影響評価の上で無効である。
 市役所で評価書案の縦覧をしたがコピーをとるのに1枚20円もとられた。しかも仕事中の市の職員の手も借りてコピーをした。コンビニでセルフコピーが10円でできるのに、わざわざ職員の手を煩わせて20円のコピーとは、市は市民のことを考えていない。

●Fさん(男・中島通)
 空港建設についての市民の合意ができていない段階で、環境アセスメントがすすめられていることに抗議する。新聞社の世論調査で空港に疑問を持つ市民が多いと出ているのは客観的な事実である。
 公述人が中央区民限定というのもおかしく、良識では考えられない。もし、空港島が中央区にできると言うだけで決まったのであれば、それはナンセンスである。神戸市だけに限らず、周辺都市でも公聴会を開くべきである。

●Oさん(男・元町通)
 空港埋立には賛成。評価書案も問題はない。
 かつて関西新空港計画の時、市長は神戸沖空港に反対を表明、大阪でも議会は空港に反対したという。しかし大阪府の当時の共産党知事(発言のまま)は沈黙したために、泉州沖に関西空港が建設された。私として、神戸沖に空港ができなかったのは、残念に思った。
 また空港建設で25000人の雇用が生まれるという点でも、空港には賛成である。輸出入取引の金額では、輸出入ともに成田空港が1位で、神戸港は5位である。これからは空港貨物の時代であると考えている。

●Dさん(男・楠町、市会議員)
 空港問題には不明な点が多く10分では語れない。
 環境アセスメントが中央区民限定であるのはけしからん。空港の影響を受ける全地域の人々の意見を聴く場を設けるべきだ。
 評価書案では「市民の意見を勘案した」とあるのに市民の意見がなく、市長の意見しかないのはどういうことなのか。また、評価書案策定の過程で審議の議事録が公開されておらず、市民には結論だけしか示されていない。
 関西空港の管制は過密状態である。例えば神戸空港が完成した場合、東方向へ離陸すると関空離発着の飛行機とニアミスを起こす。また大阪空港の徳島行きの飛行機とは正面衝突の危険も指摘されている。明石海峡大橋の主塔の高さは283m(海上部分)だが、この付近での神戸空港を飛び立った飛行機の高度は300〜600mとされる。それなのに空域は国の問題として、市では何も検討されていない。
 市の当局者は「工費の3100億円は安すぎる。関西空港が1兆6000億円なのだから、神戸空港の事業費は1兆円近くになる」と大阪の財界人の集まりで説明しているのにも関わらず、市民には何も説明もなく、公開もされていない。

●Kさん(男・筒井町、業者団体会長)
 震災で中小業者の経営は破壊され、その雇用者の働く場もなくなっている。震災後、市長の励ましの言葉を期待してテレビを見ると弱々しい顔をした市長は空港計画を語りはじめた。
 被災業者の支援策の延長を要望しても市は「お金がない」と理由で聞き入れてくれなかったのに、空港建設では2850億もの借金をする。それだけの資金が作れるのなら、なぜ、その資金を中小業者の支援に回せないのか、
 空港が完成すると利用者は必ず神戸でお金を落としてくれるとは限らない。
 現状ですら、市場や商店街の衰退で街から活気が消え、買い物客や観光客が減少している。しかも中央区の完全失業率は全国平均の2倍である9%台、空港建設の資金があるのなら、こういった部分の支援に使うべきではないか。

●春日野道商店街振興組合
 小売業を営むものとして人の流れがほしい。街全体が賑やかになるには神戸空港に期待する。
 環境への影響では、騒音について、最近は飛行機の性能も良く、神戸空港は海上空港なので問題はないと思うが、市は十分に配慮してほしい、

●Oさん(男、中島通)
 環境アセスメントを中央区民に限定するのはおかしい。関係地域を広げて、もう一度公聴会を開催してほしい。
 住民説明会で配られた評価書案の要約書には活断層の記述がない。空港予定地直下の断層は大震災の時に動いていないだけに危険度も高いはず。なのに神戸空港が防災の拠点になるというのは、おかしく、このような事実を隠しているいるのは行政の怠慢である。
 市政に憤りと不安を抱く。すべての情報を公開し、もう一度公聴会を開くべきだ。

●(株)サー・パディントン
 神戸空港島の埋立に反対。
 市は被災者には僅かの義援金で事が足りると考えているのだろうか。私たちは震災でできた店の借金のために年中無休朝早くから夜遅くまで働いているのに、空港に1兆円もつぎ込むのは疑問。
 なぜ、空港計画は現在の市民ではなく「将来の市民のため」と言っているのか。次の世代のことは次の世代に決めさせればよい。
 賛成派の人たちは空港が失敗したとき、私財を投げうる覚悟があるのか。震災で苦しむ今の世代を見殺しにして、子や孫の世代が喜ぶとでも言うのか。
 市長は勇気を持って、今、何を優先するべきか考え直してほしい。

●三宮センター街2丁目商店街振興組合
 組織の代表として意見を述べる。
 私たちの子供の世代が働けるようにするためには神戸空港は必要。今の時代は先が読みにくくなっているが、将来に向かってのチャレンジ精神を失ってはいけない。
 将来の人が「良かった」と思えることをするのが市民にとっては必要。そのためにも先行投資は必要である。
 環境問題については地球規模の観点から省資源、省エネルギーの技術を活用して環境に配慮してほしい。また騒音にも配慮し、環境保全空港といわれるような空港にしてほしい。

●Oさん(欠席・港島中町、市職員が代読)
 空港には反対。また中央区限定というのは環境アセスメントとしておかしい。空港のような重要なことは広く市民と討議すべき。
 大阪湾の水質は現状でも環境保全目標を満たしていないのに、さらに空港島を埋め立てるのは疑問。
 また市内部の力学にも疑問である。公聴会を主催している環境保全部環境審査室の職員で、空港整備本部に対して意見出来る職員はいない。
 公述人の中には商店街振興組合関係者もいるが、街の発展のためには空港以外の選択肢があるのではないか。もし、空港が出来れば、商店主は多くの市民を雇用することが出来るのか。

●Kさん(女・中尾町)
 この環境アセスメントは無効。
 全体の建設費が不明。3100億円が示されているが空港関連施設の建設費が含まれていない。建設費のほとんどである市債の返済方法(ポートアイランド2期の土地を売るなど)も不明な点が多い。現状でも市税の45%が市債の償還に使われているので、不安を感じる。
 既存の空港が近くにあるのに、わざわざ活断層の上に、莫大な借金で空港を造る意味はない。市長は市民運動を敵視せず英断をしてほしい。

●Tさん(男・花隈町)
 六甲アイランドでも窒素酸化物の影響があるのに空港建設では「影響は軽微」なのはおかしい。喘息患者も出るはずだ。
 バブル期、私もゴルフ場建設の設計をしていて、その環境アセスメントに資料を提出したことがあるが、不都合な部分は資料として出したことはない。環境アセスメントはそもそも、そのようなものだが、都市計画に携わった者でも大阪空港や関空が近くにあるにも関わらず、神戸空港の建設には疑問を感じる。
 利用客について、新幹線新神戸駅の乗降客数が震災前で年250万人なのに対し、神戸空港は420万人が利用するとしているのは、予測とはいえ、水増ししているとしか思えない。
 神戸の街を愛する者として空港計画の進め方には納得できない。

●Mさん(欠席・北本町通、市職員の代読)
 空港計画に反対。市の財政破綻で市民の負担が心配である。

●Sさん(欠席・山本通、市職員が代読)
 21世紀はグローバル化の時代。その観点から空港建設は必要。
 埋立による海中生物への影響については、開港後も定期的に監視すべき。
 地球規模の環境保全の立場から、空港施設には徹底的な省エネルギー対策を施すよう、市に要望したい。

●Hさん(男・若菜通)
 環境アセスメントの中央区民限定に反対。
 市の「神戸空港ニュース」を見ているが疑問は膨らむばかり。市は3100億円で空港が出来ると言っているが果たして本当なのか。例えば大規模船舶航路の変更による海底の浚渫工事費用は、この中に含まれているのか。
 神戸空港計画は大阪空港廃止の前提で推進が決まったが、今は、関空2期工事も決まり、大阪空港も存続し、時代は変わっている。変わっていないのは市長と賛成派の市会議員の頭の中だけである。今、市がするべき事は仮設住宅の解消であり、市民の完全な震災復興である。
 神戸空港は420万人が利用するというが、近くには大阪空港や関西空港があるのに、本当にそれだけの人間が利用するのか疑問。
 また物流についても、今朝、北海道で穫れた野菜を神戸の人が、その日の夕食に食べる必要はない。現状でも、兵庫県で穫れた野菜を、もっと新鮮なうちに食べられるではないか。

●生田前筋商店街振興組合
 昭和47年の新幹線開通の時を思い浮かべていただければ、空港問題を理解できるはずだ。
 当初、新幹線駅は裏六甲に予定されていた。もし、それを実現していれば神戸は素通りの街になってさびれていただろう。
 今、1年間に国民の3人に2人が国内航空路線を利用するといわれている。空港がない街は、それだけでハンディーになる。
 空港の景観も素晴らしいはず。空港から眺める六甲の稜線が今から楽しみである。

●川崎製鉄阪神労働組合
 21世紀の雇用の創出のために空港は必要。
 今やインターネットの発展で自宅にいながら世界の情報を知ることが出来る時代に新たな交通の発展は不要という意見もあるが、人と人、Face to Faceの交流も必要だ。神戸空港の建設は、その役割を果たしてくれる。
 環境に及ぼす影響は軽微であり、その配慮の上でポートアイランド沖の海上に空港が計画された。完成すれば21世紀最初に開港する空港になるだろう。

●新社会党神戸中央総支部
 評価書案で大気観測地点が道路から離れている。住居における影響についても、高層住宅を考慮して、立体的な環境影響調査をしてほしい。それがなされていない今回の環境アセスメントは不十分である。
 潮流の影響でも市の指摘する「空港島周辺に限られる」だけではなく、西宮市沖では海流が逆流するという報告もある。
 そのことから考えても公聴会を中央区だけで開催するのは問題である。

●Oさん(女・山本通)
 大震災から1週間後、市長は「神戸に空港は必要」と発言。私は耳を疑った。
 友人は家が全壊して西区の仮設住宅に住んでいるが、今では周りはすべて引っ越し、ひとり、取り残されている。被災都市神戸にとって空港建設は震災復興に必要なのだろうか。
 赤字財政の市に対し、空港計画の即時、中止、凍結を望む。

●三宮阪急前商店街振興組合
 震災前に神戸空港計画推進は市会で全会一致で決まった。そのときは喜んだが、今は反対する議員もいるときき、残念である。
 運輸省は6月2日の答申で高速道路よりも空港であると言っている。日本は世界に誇れる空港を造ることが出来る。環境には十分な配慮をしているので安心はしているが、環境に配慮しつつも最先端の技術で空港を造ってほしい。

●Iさん(女)
 交通機関が発達している関西で琵琶湖、大阪、関西、神戸、播磨の5つの空港が出来るかもしれない。しかし、鉄道の客より飛行機の客が増えるとは思えない。
 大気汚染でも、海外では飛行機は大気汚染公害の大きな原因とされている。
 市長は空港の総工費について「発注するまでわからない」と言っている。現在建設されている地下鉄海岸線でも当初は1800億円の予定だったのが、今は2100億円に修正されており、今後もどれぐらい費用がかかるのかわからないといわれている。空港も3100億と言っているが、実際は、わからないだろう。
 推進派の人は「反対派は将来のビジョンがない」と言っているが、自分たちの子孫に借金を残すような計画を推進していて、よく「反対派はビジョンがない」と言えたものだ。私は「ふざけるな」と言いたい。
 埋立用材が中央区だけでまかなえないのは確実なのに、関係地域が中央区限定という公聴会は不十分であり無効である。

●三宮高架商店街振興組合
 震災による民間企業の本社や外国総領事館の流出、東京一極集中による関西経済の地盤沈下の状況で、経済効果、雇用促進の点から神戸空港の早期推進を求める。環境アセスメントでは概ね良好とされているが、環境への配慮に十分すぎると言うことはないので、しっかりと環境に配慮して神戸空港の推進をお願いしたい。

●(有)ピープル
 仕事でインターネットを使って世界中の人々と交流している。特に地震学会の人とのメールのやり取りでは、多くの学者が神戸空港に疑問を感じていたり、反対している。
 私は学者でも、研究者でもないがなぜ、この話を私がしなければならないのかというと、早川和男神戸大学名誉教授が今、公聴会の傍聴席にいるのに、教授は公述人に選ばれなかった。それは市が市民の間に作った「中央区」という柵があるためだ。
 多くの学者が公述したくても、できないため、私が、付け焼き刃で勉強してまで、公述しなければならなくなった。これは市の失敗であり、慚愧に耐えない。
 空港予定地の直下2000〜2500mに大阪湾活断層がある。市はこの断層による地震動を過小に評価し、さらに市の報告には学者から稚拙なミスも指摘されている。
 市は断層は表面に出ていないので被害は予測できないと考えているようだが、実際は表面に出ている。空港予定地直下の活断層について市の説明はでたらめである。
 また、学者の間ではこの断層が動いたときの空港島の影響も詳しく検討すべきだと言っている。

●Kさん(女)
 公聴会の関係地域が中央区限定であることに抗議する。
 潮流の変化について、市の水利模型実験と京大防災研などの実験結果が違う。市は大阪湾全体の影響を隠し「空港島周辺に限られる」としているが、実は市の模型実験でも大阪湾に重大な影響が出ていたのではないか。
 市民生活に重大な影響が出るのに情報を公開しないのは市民に対する背信行為である。
 市は、もういちど調査手続きをやり直してほしい。
 また開発行政のために震災では6000人が市に殺された。今も孤独死という形で見殺しにされている。市は殺人行政である。今、何が必要なのかを真剣に考えてほしい。行政として被災者を見殺しにしながら空港を造ろうとするのはおかしい。

●Tさん(女・港島南町)
 避難所に避難者が大勢いるとき、市長は「神戸空港推進」と発言したが、私は「何を血迷ったのか」と思った。
 空港島予定地の活断層についてもあいまいで、活断層が動いても空港施設に影響はほとんどないとしているが、震災の影響を考えても、それはおかしい。
 環境庁が注目している人工ラグーン(海水浄化池)について、評価書案で触れていないのはにも疑問。
 ポートアイランド2期や六甲アイランド南側埋立など、知らない間にどんどんと神戸の海が遠くなっている。これ以上、山を削って、海を埋め立てないでほしい。

●三宮センター街3丁目商店街振興組合
 商店街の立場で意見を述べるが、私たちは観光産業の恩恵を受け、生計を立てている。
 そのためにも、震災直後に空港を造ってほしかった。
 環境について、神戸沖はヘドロがないので空港建設にはいい場所のはず。大阪湾のことを考えるなら、反対派はなぜ、神戸空港に反対して、関空に反対しないのか疑問だ。
 関空よりも神戸空港の方が大阪湾の環境にはいいはずだ。
 震災で、神戸の持つ観光やファッションなどのイメージが崩れさった。イメージを持ち直すためにも空港は必要だと考える。

●Iさん(男・東川崎町)
 市民の間で関心が高い問題なのにアセスメントが中央区民限定なのはおかしい。これは市がアセスメントの欠陥を自ら示したものだ。また、財政見通しもしていないのにアセスメントを進めるのもおかしい。
 現在、大阪空港のジェット機増便、関空二期工事が決まっている関西圏に3つめの空港を造る余地はあるのか。神戸空港は、近くに福岡国際空港、宇部空港がありながら建設された北九州空港の二の舞にならなるのは必至。
 北九州空港は開港当初は多くの乗り入れがあったが、今はJASの羽田行き1日2便だけ。年間利用客18万人。飛行機の座席も50%ぐらいしか埋まらないそうだ。
 運輸省の飛行場部長も神戸空港で1日50便は無理と、市長に言っているそうだ。
 そのことを考えると、もしかして、市長は神戸空港を24時間の国際貨物空港にしようとしているのではないか。
 評価書案について、土砂をどこから採取するのか不明。公聴会開催が中央区限定だからといって中央区内から土砂を取ることは考えられず、評価書案は信用できない。

●(社)神戸青年会議所
 私たちは空港の推進をしているが、すべての人が空港を推進しているわけではない。
 市はもっと市民と対話するべきだし、情報公開もするべきだと考えている。
 空港に大きな役割を期待している青年会議所では第3種国内空港で成功しているところはほとんどないだけに国際空港にしてほしいと思っている。
 これからの神戸は海の港だけではなく空の港、情報の港を持つ新しい港にしたい。
 市は市民の意見を十分反映して空港建設を進めてほしい。
 また、この公聴会で公述人が喋っている時に傍聴人がヤジを飛ばすのはルール違反である。

●神戸YWCA
 公述人が中央区民に限定なのは疑問を感じる。
 YWCAは震災前から神戸空港問題に関心を寄せていたが、今回の震災で、たくさんの被災者を尻目に市長が「空港、空港」と言っている時、私たちは空港どころではなかった。
 評価書案では環境保全目標に満足という表現が目立つが、震災の時、解体工事などで人々は公害に遭い不快な思いをした。市は安全といっても数値だけでは、実際の影響はわからない。
 また現在でも環境保全目標を達成していないところがあるのに、なぜ「影響は軽微」といえるのか。
 また「神戸で地震は起きない」といった学者が空港推進派にいる。

●全国金属機械工業労働組合兵庫地方本部
 震災で大きな被害は受けたがハード面では大きく復興した。しかし、経済危機で私たちの職場は大変な目に遭っている。
 今後、神戸で働ける場を創るために、子供たちや孫たちが神戸で暮らすためには、空港は必要で、空港こそ、私たちの将来の糧だと思う。
 海を汚し、空を汚し住む人が困るようなことを望む市民はいない。それぞれの課題を確実に解決し、市民への影響を最小限にとどめてほしい。
風見鶏 >> 神戸空港を考えよう >> 空港島埋立環境アセスメント >> 公聴会公述人全発言