第6号コラム〜今頃になって出てくる義援金疑惑

1998年3月1日
 阪神・淡路大震災から4年目になって、善意の浄財として集められた義援金の「信用」を失墜させるような事件が相次いだ。
 まず、ひとつは奈良県の地元新聞社「奈良新聞」の事件。
 大地震直後に集められた義援金から救援物資を購入し、被災地へ送ったが、その物資を社長の経営する別会社から購入、さらに手数料を搾取していたことが判明した。
 しかも、この事実が今頃になって公表されると言う点は、義援金に対する信用と同時に、マスコミが行う慈善事業に対する信用も大きく失墜させた。
 それ以前にマスコミとしての奈良新聞社の見識を疑う。
 次に旧新進党の「ため込み事件」
 解党にともなう整理作業中に、忘れ去られていた「義援金」が出てきたというから、開いた口がふさがらない。
 政党は義援金を集めることよりも、被災者救援をしやすくするために国会内で活動すればよい。
 筆者は、これを「義援金」という名の「ウラ金」ではないかと考えている。ただ単に「カンパ」とすれば、何の実績もない新進党にとって、資金が集めにくいので、大地震直後は「震災義援金」というお題目で集めれば資金が集めやすいという、某宗教団体の街頭ニセ募金に通じる集金方法をとって、たまたま、余っていた一部が、新進党外部の人間に発見されたのではないかと考えている。
 何しろ旧新進党は宗教政党であるから、可能性は大いにある。
 この話は99%の事実に対する、1%ほどの推測でしかないが「政党助成金」という国民の血税で運営されているはずの政党の資金管理のずさんさは、紛れもない事実である。

 こんなアホな政党に「公的支援」できるのに、なぜ、災害被災者には公的支援がないのか。この国の異常さを象徴する事件でもある。

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