復刊宣言

1997年4月15日
 紙に印刷していた時代。1989年春号の『風見鶏』には「神戸の自然を考えるシンポジウム」(89年2月26日、市立葺合文化センター・主催=布引・市が原の自然を守る会)の取材記事が掲載されています。
 このシンポジウムは当時神戸市が進めていた大規模観光開発計画(布引公園計画=現在の布引ハーブ園=自民党から共産党までが諸手をあげて賛成した観光開発・今話題の神戸空港計画=震災復興事業最大の不良債権プロジェクト=も同じ構図で進められた)を検証する目的で開かれました。
 その記事の中に「関西大震災の危険性」という見出しをつけた記事が載っています。市街地直下の活断層の存在を踏まえ、神戸市の開発行政が市民を大災害の犠牲者に仕立てようとしていると指摘しました。
 この記事が発表されて8年後。それは事実となり、6500余名が株式会社神戸市のオール与党殺人行政の犠牲者となりました。犠牲者は今も孤独死という形で尾を引いています。
 それから更に2年が過ぎました。
 空白の7年間、いろいろありましたが私たちは元気にやってます。
 私たちは単なる行政批判ばかりでなく、このような開発行政を許してきた私たち神戸市民にも非はあるという立場で、復興情報を美化せず、逆説的にも伝えるべきことが多々あることに気づき、何らかの形で『風見鶏』を復刊できないかと思っていました。
 そこで私たちは廃刊時に知られていなかった「インターネット」の急速な発展に目を付けました。
 何しろ、7年前に毎回支払っていた印刷費と較べてみても運営費用が格段に安く、しかも全世界的に発信できるとあって、こんな理想的なメディアはありません。
 また、作業量も7年前、印刷版下を割り付けていた頃より遙かに簡単で、時間も大きく短縮されました。しかもリアルタイムに私たちの戯言を全世界に発信できることは7年前には不可能でした。
 私たちは、この最新技術とメディアの発展に感謝しながら、7年前の編集方針「ホンネ、時にはユーモア」を胸に、ここに『風見鶏』の復刊を高らかと宣言いたします。
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