●●医療少年院の最高入院記録は3年6か月!!
ついに酒鬼薔薇聖斗に「判決」が下った。
たとえ凶悪殺人犯とはいえ、少年法保護下の彼に「判決」という言葉は、よくないかも知れないが、事実上の「判決」であることには違いない。
10月17日午後2時50分。井垣康弘裁判官は、彼に「医療少年院入院が妥当」と、彼にいい渡した。
ところで「医療少年院」とはどんなところなのだろうか。
マスコミは26歳まで収容できることばかりを強調しているが、それは「法解釈上」の話である。実際に26歳まで医療少年院にいた者は、過去にはいない。
本誌が事前に調べたところ、医療少年院の最高入院記録は3年6か月。少年院では「20歳過ぎの大人と未成年者を一緒に管理するのは問題がある」というのが本音らしい。
さて、この医療少年院とは、普通の少年院とはどう違うのだろうか。
マスコミでは「医療少年院」=「少年用精神病院」というようなニュアンスで報道しているが、どちらかといえば「精神病院」というよりも「総合病院」に近く、精神病だけでなく慢性的な疾患を持つ少年少女たちも収容される。
しかし、そのほとんどはシンナー・覚醒剤中毒の少年少女である。
もちろん、少年鑑別所と同じく、犯罪に対する責任を問うたり、罪の反省をさせるところではない。あくまでも病気治療のための少年院なのだ。
いずれにせよ、過去の例から見て、酒鬼薔薇聖斗は、事件に対する反省もなく、2001年までには「シャバ」に帰ってくる可能性もある。
医療少年院のスタッフを信用しないわけではないが、本当に3年ほどで酒鬼薔薇聖斗が更正できるのだろうか。いささか不安である。
●●200x年、酒鬼薔薇聖斗は再び神戸に帰ってくる?
さて「シャバ」に出た酒鬼薔薇聖斗の処遇は、どうなるのか。
普通は、家庭に返される。家庭では保護司などの相談を受けながら、社会復帰の「リハビリ」を受けるのである。
しかし、医療少年院でも「精神病」が完治しなかった場合は、精神病院に送られる。
この「送られる」がくせ者で、必ずしも「入院」ではないのである。自宅通院の可能性もあるのだ。
司法制度上、少年は人を何人殺そうが、事件の反省や、被害者への謝罪をしなくてもよい。そんな人間が無秩序にシャバに放たれる危険もあるのである。
ヤクザの場合、手元が狂わない限りは、一般市民に危害を加えることはない。(しかし、よく手元が狂っているので質が悪いのは酒鬼薔薇聖斗と同じである)
しかし、酒鬼薔薇聖斗のような人間は事件の反省をしてないので、いつ、再び一般人に毒牙をむくのか、わからないのである。
しかも3年後、彼は18歳。少年のため罪は問われないし、名前も報道されない。彼は再び同じ道を歩む可能性がある。
戦争を前提にした「ガイドライン」が許されるのなら、私たち神戸市民は「同一犯による第2の酒鬼薔薇聖斗事件」の「ガイドライン」も必要だと考える。
●●あなたは三菱銀行北畠支店猟銃強盗事件=梅川事件を知っていますか?
1979年1月26日午後、大阪市住吉区の三菱銀行北畠支店に猟銃を持った強盗が押し入った。
向けられた銃口を払いのけようとした銀行員や、突入しようとした警官を次々と射殺、さらに行員3人に片耳を切り落とさせるなどの拷問的なことをさせた。
約2日間、人質37人をとって立てこもるが、28日午前中、警官隊が突入、強盗は射殺された。
この事件の一部始終はテレビ中継されていたので、ご記憶にある方も多いと思う。
なぜ、わざわざ、酒鬼薔薇聖斗事件で、この事件を取り上げたかというと、この強盗・梅川某という男は、15歳の時に殺人事件を起こしていたのだ。
梅川は15歳の時に、民家に強盗に押し入ったが、その家に住む主婦に見つかったため、その主婦を殺害した。
酒鬼薔薇聖斗と同じく少年による殺人事件と言うこともあって、梅川も少年審判に賦された。
この殺人事件を取り扱った広島家庭裁判所は「再犯の可能性がある」との判断で少年院送致処分を言い渡した。
再犯の可能性が指摘されながらも、梅川は、たった1年5か月で少年院を退院しているのだ。
それから14年後、彼は銀行強盗とはいえ、猟奇的な事件を引き起こしているのである。
それから、さらに18年後、少年法は、全く改正されていない。
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