ワイドショーの中の懲りない面々

最終更新:1997年10月27日
◆はじめに◆

※「ワイドショー」とは自分たちがこれまで垂れ流した誤報で視聴者に対し何の謝罪も行わず、それでいて自分たちの報道姿勢に対して何の反省もしない娯楽番組のことを指します。
※ここでは、コメンテーターごとに、その発言をまとめています。必ずしも、各氏の言い訳ばかりを取り上げたものではありません。良識的なものも含まれていますが、その判断はあなたにお任せします。(50音順)

天野佑吉氏(コラムニスト)
▼今、マスコミで少年法を厳しくするといった論議をする時期なのか。学校や教育なども論議すべき。マスコミとして視聴率が上がる、売り上げが伸びるというだけで少年法を持ち出すのは最悪。(7月3日「スーパーモーニング」)

有田芳生氏(ジャーナリスト)
▼殺した遺体を世間に見せびらかすような犯罪は世界的に例がない。このような犯罪を犯した少年に対して現行の少年法や少年院が機能するのだろうか。(7月11日「ザ・ワイド」)
▼夏休みは、この事件を生きた教材として、家庭で議論してもらいたい。(7月18日「ザ・ワイド」)
▼マスコミの注視にさらされて、外へ出て行きにくい中で(通り魔殺人の)被害者が「少年の親に謝罪をしてほしい」と発言していることについて、周囲の人たちは、その環境を作ってあげるべきだ。(7月18日「ザ・ワイド」)
▼自分で創り出した「バモイドオキ神」を信じるような「一人カルト」が成立するのだろうか。このような新しいタイプの犯罪を国民共通の問題として考えていくためにも、ぎりぎりのところでいいから少年の弁護団は公表してほしい。(8月5日「ザ・ワイド」)
▼被害者への謝罪の前に性的サディズムを治すことが肉体的に必要。(10月20日「ザ・ワイド」)
▼「何がなんだかわからないまま、いつの間にか(少年が)出ていた」ということでは困るので、これからも、もっと情報を公開すべき。(10月20日「ザ・ワイド」)

市川森一氏(脚本家)
▼義務教育の先生に「もう来なくていい」と言われた言葉は少年に対して全人格を否定することとなった。家庭が犯行に気づかなかったのは、なぜなのか、個人的に探ってみたい。(7月1日「スーパーモーニング」)
▼あの山が「タンク山」と呼ばれることにこの街の哀しさがある。昔は街の中にある山と言えば、山にほこらを祀り、そこで祭りを開いたりしたが、あの山にあるのは大きなタンクと現代を象徴するかのようなアンテナ施設しかない。タンク山は、地域のあらゆる価値観を否定している。(7月10日「ザ・ワイド」)

伊藤芳郎氏(弁護士)
▼いろいろな話(近所の人や同級生達の証言など)で、小学校6年生から、この少年の性格が変わったと言っている。学校ばかりを責めるのではなく、親、兄弟、地域が、この少年に無関心になっているから、この少年の行為がエスカレートしたのではないか。(7月1日「おはようナイスデー」)
▼少年犯罪は年々減っているが、犯罪が低年齢化している。善悪の分からない、この世代に対して暴力シーンなどを規制するような社会を整備する必要がある。(7月1日「おはようナイスデー」)

上野正彦氏(精神医)
▼(容疑者が14歳だったことについて)驚きです。(6月30日「スーパーモーニング」)

魚住和晃氏(神戸大学教授)
▼私たちは犯行声明を深読みしすぎた。(6月30日「おはようナイスデー」)
▼14歳の少年が逮捕されたと知った瞬間、(自分の)学者生命も終わりだと思った。(6月30日「ザ・ワイド」)

大谷昭宏氏(ジャーナリスト)
▼少年法は犯罪を犯した少年の更生だけで、犯罪の責任を問わない。その点で論議するべき。刑罰を重くすればいいと言うだけの問題ではない。(7月3日「スーパーモーニング」)
▼すべてを無視するというところから、この犯罪が始まっている。取材した限りでは、容疑者の少年と地域、社会の関わり方に問題があったと思う。社会全体が彼を疎外しているから彼は殺人に走った。(7月10日「スーパーモーニング」)
▼少年たちは少年法で責任を取らなくていうことを知っている。だから少年にも刑罰を科すべき。そうでないと殺された淳君が浮かばれない。(7月10日「スーパーモーニング」)

尾木直樹氏(教育評論家)
▼中学生は誰でも4つの顔を持っている。親に接するときの顔、先生に接するときの顔、友達に接するときの顔、そして、自分の中の顔。(7月2日「ワイドスクランブル」)

小田晋氏(国際医療福祉大学教授)
▼このような事件が起こると、すぐに「(加害者の)人権」と叫ぶ人がいるが、今度の事件は、そういう人の責任も問われている。(7月4日「ザ・ワイド」)
▼ほかの少年たちも、この程度の犯罪をすれば、この程度の罰で済むと思っている。少年でも検察官を交えて、刑事罰を問うべき。(7月4日「ザ・ワイド」)

加藤タキ氏(?)
▼友が丘中学の校長先生から感情が感じられない。教育者とは言えない。それに対して(殺された少年が通っていた)多井畑小学校の校長先生は、校門まで生徒を出迎え、生徒一人一人に「おはようございます」と声をかけ、人間味がある。見ていて安心できる。(7月3日「ザ・ワイド」)

河上和雄氏(弁護士)
▼少年法を書き換えても、少年犯罪が減るとは保証できない。(7月1日「ルックルックこんにちは」)
▼少年院に入れられても(容疑者の少年には)前科はつかない。(7月16日「ルックルックこんにちは」)

紀藤正樹氏(弁護士)
▼先生の「学校に来なくていい」という言葉は義務教育の自殺。友が丘中学の先生がこの事件の解明に乗り出すと、生徒達が心を開かなくなる。(7月1日「ルックルックこんにちは」)
▼少年法は犯罪を予防する法律ではない。少年法を改正したところで、また、このような犯罪が起きた場合、また同じ論議になる。少年法だけを論議するのはどうかと思う。(7月3日「ルックルックこんにちは」)
▼日本は被疑者、被害者共に人権は守られていない。加害者が保護されるのなら被害者も保護されなければならない。(7月4日「ザ・ワイド」)
▼子供は犯罪を犯しても、犯罪行為と結果としての刑罰が結びつかないから、犯罪が常習化しエスカレートする。学校や地域がエスカレートするまでに少年を止めていれば、このような事件は起きなかった。(7月10日「スーパーモーニング」)
▼少年の精神鑑定は当然。責任能力がないと判断されても、無罪にはならず医療少年院送致になる。(8月5日「ザ・ワイド」)

君和田和一氏(元中学校教諭)
▼地域に親しまれような学校にすると、どうしても体罰をしてしまう。ただ「学校に来なくていい」は生徒指導の立場として言ってはいけないし、先生は、その気持ちを持っていてもいけない。それこそサバイバルナイフで生徒を刺すようなものである。(7月2日「おはようナイスデー」)
▼この事件のことを後からいろいろ言うことよりも、これから同様の事件を起こさないようにすることが大事。この事件は大きな山の頂上に過ぎず、その裾野は広い。他人事で考えてはいけない。(7月2日「おはようナイスデー」)
▼直接友が丘中学の生徒に話を聞くと、中学生は「体罰をやめてほしい」「校長先生は隠し事をやめてほしい」と言った。生徒から先生が隠し事をしていると思われているようでは、教育者失格。生徒も人間不信になってしまう。(7月4日「おはようナイスディ」)
▼この事件の教訓がどのように活かされているのかを知りたくて再び友が丘中学周辺へ取材に行ったが、下校途中の生徒にインタビューをすると、後ろから車に乗った大人が「しゃべるんじゃない。早く帰ってきなさい」と怒鳴ってきた。同行していたレポーターが「言いたいことがあるのなら車から降りて話をしてください」と言うと、車を突然ふかせて、その大人は逃げてしまった。(7月9日「おはようナイスディ」)

木村晋介氏(弁護士)
▼犯行声明に難しい文字や言葉を使ったのは、自分が大人であることを示したかったからだ。(7月1日「ビッグトゥデー」)
▼精神鑑定だと半年以上長期の(警察や鑑別所に)長期の勾留が可能。それをあえてしないのは警察署と家庭裁判所が連絡を取り合いながら捜査を進めているからではないか。(7月15日「ビッグトゥデー」)
▼事件までの少年の行動に悩みやためらいがなく、私たちの感覚でいうと、病的(9月16日「ビッグトゥデー」)

草野仁氏(フリーアナウンサー・「ザ・ワイド」司会者)
▼明日(=容疑者の少年が神戸家裁に送致される日)を過ぎると、この事件の報道は減っていく。(7月24日「ザ・ワイド」)

黒田清氏(ジャーナリスト)
▼(友が丘中学校校区は)町と学校が機能していない。町は学校を見ていないし、学校も町を見ていない。そんな町が日本中に広がっている。(7月2日「ワイドスクランブル」)
▼(友が丘中学校の保護者たちは)事件のことは何もわかっていない。学校に対して事件の話をするとき「新聞やテレビでこう言われているんだけど」と言って訪ねる。(7月9日「ワイドスクランブル」)

鍬本實敏氏(元警視庁刑事)
▼逮捕前まで20歳前後の変質者による犯罪と思っていた。(実際は14歳の少年が容疑者だったことで)事件が解決しても喜ぶ気になれない。

小池振一郎氏(弁護士)
▼容疑者の少年が再犯を起こしたら(容疑者の)弁護士も責任を取るべきという意見があるが、それは誤解。再犯する人間は、世界的にも歴史的にも犯罪を繰り返す。また少年法の精神も世界的に確立されているので、その主旨を否定することは出来ない。(7月18日「ザ・ワイド」)

斎藤学氏(精神学者)
▼小動物殺し、物品損傷を行動は育ち方に問題がある。学校だけの問題にするのは疑問。(7月1日「ビッグトゥデー」)

三枝成彰氏(作曲家)
▼少年は発作的に犯罪をする場合が多いので少年法だけでは事件を解決できない。(少年が育った)家庭から見直していくべきではないか。(7月11日「ザ・ワイド」)
▼この事件は「地震・雷・火事・親父」とまで例えられた恐い父親の存在がなくなったところにも原因があると思う。(7月18日「ザ・ワイド」)
▼義務教育で難しい勉強よりも「人とのつきあい方」教えなければならない時代がやってきたのではないか。(7月18日「ザ・ワイド」)
▼加害者の親は、社会に出て謝罪すべき。それをしないと、この事件はこのまま終わってしまう。少年の凶悪犯罪では親の責任も問われるべきだ。(7月24日「ザ・ワイド」)
▼犯行動機は祖母の死だけではない。阪神大震災で、人の死をたくさん、そばで見ていたり、死にかけそうになった人を助けられなかったりしたときの影響もあるのではないか。(7月29日「ザ・ワイド」)
▼この事件は特殊なので、解明できない。(7月29日「ザ・ワイド」)

作田明氏(精神学者)
▼小学校6年生でホラービデオを見ることは考えられない。小さい頃からホラービデオを見るのは問題である。(7月1日「ザ・ワイド」)
▼少年法の(少年院留置)期間で少年が治療できるのか。その点から、今後の対応を考えて行くべきだ。(7月3日「ワイドスクランブル」)
▼友が丘中学の校長の記者会見は政治家や官僚と同じ。中学教師に生徒のカウンセリングを求めるのは、今は無理だと思う。また、この事件はいろいろな要素が絡まった「複合犯罪」なので学校ばかりでなく家庭環境にも問題がある。(7月3日「ザ・ワイド」)
▼(容疑者少年の「バモイドオキ神」メッセージを読んで)殺人を思想的に裏付ける神の存在が必要だった。(7月24日「ザ・ワイド」)
▼(酒鬼薔薇聖斗が小学3年のとき)精神科の先生が言ったとおり親が子供に対して、何もせず(しつけを)放置しておくというのは問題である。(9月16日「ザ・ワイド」)
▼認知障害の場合はなかなか治らない。学校の教師も(酒鬼薔薇聖斗の精神的障害)が治らないうちに「学校に来なくていい」と言ったことについて、教師は道義的責任を感じているのではないか。(9月16日「ザ・ワイド」)

作田勉氏(慶應義塾大学教授)
▼(神戸地検が発表した動機である)祖母の死は一つのきっかけとは思うが、少年がホラービデオやナイフを集めていたことを放置していた家庭にも問題がある。(7月28日「ザ・ワイド」)

佐藤喜宣氏(杏林大学教授)
▼15歳以下の犯罪とは考えられなかった。第2次性徴時には性的なものに目覚め、いろいろと学ぶ時期なのだが、なぜ、このような方向へ向いたのだろうか。(6月30日「ルックルックこんにちは」)
▼(金槌と切り出しナイフで証拠を残さずに人を殺す方法を解説。このコーナーの趣旨に反しますのでコメントは掲載しません。7月16日「ルックルックこんにちは」)
▼祖母や祖父が亡くなるのは当たり前の出来事だ。普通、葬儀などで、身内は亡くなった人の死を悲しむものだが、この家庭では、少年は祖母の死を悲しんだのに、少年の親はあまり悲しまなかったのではないか。だから、少年は孤独になったと考えられる。(7月28日「ザ・ワイド」)

佐藤道夫氏(参議院議員・元検事)
▼少年審判は白黒をつけることを目的としていない。改善点があるとすれば検察側と弁護側が議論し、事実を確定させてから、家庭裁判所で少年の処分を決めたほうがよい。ただし、公開することは容疑者の更生を考えれば問題である。(7月25日「ザ・ワイド」)
▼この事件の場合、被害者の親が、容疑者の親に対し、親の監督責任を民事裁判で争う余地がある。(7月25日「ザ・ワイド」)
▼極悪犯人だからといって、この少年の権利を踏みにじるわけにはいかない。長い目で少年の更生を見守ってほしい。(7月25日「ザ・ワイド」)
▼ロッキード事件の時「総理大臣をした人が、あんな悪い事をしているのに、なぜ、自分たちが罰を受けなければならないのか」と平気で言う少年犯罪者が多くいた。子供は大人をよく見ているので、この事件を契機に大人も襟を正してほしい。(7月25日「ザ・ワイド」)

重松一義氏(中央学院大学教授)
▼(取り調べで殺害動機が未だ不明な点について)この少年は文章力があるのだから、一度、自由に手記を書かせてみてはどうだろうか。それで何かがわかるかも知れない。(7月8日「ビッグトゥデー」)

清水勉氏(弁護士・女子高生コンクリート詰め殺人事件犯人の弁護人)
▼被疑者を逮捕すれば終わりというのは、テレビドラマの話。実際に警察は今も捜査をしているので、事実がハッキリとしてから(この事件について)論議したほうがよい。(7月4日「ザ・ワイド」)
▼(コンクリート詰め殺人犯の少年達は)弁護士と人間的信頼感を築くために毎日、長時間、面会をした。とことん話し込んでいくうちに、自分たちの家族のこと、被害者のこと、被害者の家族のことを考えるようになった。彼らの人間観が変わった。(7月4日「ザ・ワイド」)

水前寺清子氏(歌手・「ワイドスクランブル」司会者)
▼(少年法の精神には加害者の)少年に将来があるとはいうが、それなら殺された淳君の将来はどうなるのか。個人的には少年法を厳しくしてほしいと思う。(7月7日「ワイドスクランブル」)

住田良能氏(産経新聞編集局長)
▼(容疑者の少年の顔写真の)公開は直接、少年法に反しない。それどころか、出版物の内容によって流通を握るところが検閲のようなことをして販売しないというのは、おかしい。読者が直接判断すべきだ。(7月4日「おはようナイスデー」)

高橋章子氏(エッセイスト)
▼親や先生は子供の悪い部分を見ないようにしておこうとしている。そんなことをしていると、子供は親や先生に対して不信感を抱いてしまう。(7月4日「ワイドスクランブル」)

高橋紳吾氏(精神医)
▼(容疑者が14歳だったことについて)絶句した。(6月30日「スーパーモーニング」)
▼(容疑者が「普通の子供だった」という近所の人の証言に関して)小動物を虐待したり、指に腕時計を巻き同級生の歯を折るという行為は立派な問題児。そんな少年が普通の子供に見えてしまうところが恐い。(6月30日「スーパーモーニング」)
▼この街は、東大、灘高などに通う高学歴の人が多い。容疑者の少年の家でも、試験で悪い点数を取ると、腕立て伏せをさせるほど、教育熱心だと聞いている。しかし、中学受験に失敗し、その挫折感を味わってから(容疑者の少年の)性格が変わったのではないか。(7月1日「スーパーモーニング」)
▼周りの少年や先生が「あいつがおかしい」と言っているのに、(容疑者の)少年が殺人をする前に止める人はいなかったのだろうか。(7月7日「スーパーモーニング」)
▼(容疑者は)精神病ではなく、殺人が趣味の異常性格。(7月7日「スーパーモーニング」)
▼(容疑者は)根暗な子。もてないタイプ。(7月8日「スーパーモーニング」)
▼(容疑者を)精神鑑定をすれば、おそらく分裂症と正常の中間になると思う。(7月23日「スーパーモーニング」)
▼結局(この事件について)親も、精神科も、学校も、警察も何もわからないまま、ずるずるときている。(9月17日「スーパーモーニング」)

高村智庸氏(レポーター)
▼神戸弁護士会の容疑者少年に対する対応は、私たち加熱するマスコミ達に釘をさしたものだ。(7月9日「スーパーモーニング」)
▼小動物を殺すところで誰も対応しなかったのが問題である。結果論になるが、その時点で誰かが注意していたら、それ以後の最悪の事件まで至らなかった。(9月16日「スーパーモーニング」)

武久  氏(産経新聞編集委員)
▼少年審判は検察官もなく1人の裁判官が、すべてを決める。この体制は考え直すべき。(10月20日「ビッグトゥデー」)

田中喜代重氏(弁護士)
▼現行少年法では事件が解明されても(審判などは非公開なので)、それは秘密である。オープンにするには被害者の遺族が容疑者の親を民事訴訟で告訴してもらうしかない。(7月9日「スーパーモーニング」)
▼神戸地検の会見は二度と検察に(この事件は)戻ってこないから、最後に社会に対して、何かを言っておこうと思ったのではないか。(7月28日「スーパーモーニング」)
▼少年法の考え方では14〜15歳がこんなことをするなんて想定していないので、社会の特殊性も踏まえて精神鑑定をした報がよい。(7月28日「スーパーモーニング」)

土本武司氏(筑波大学教授)
▼日本の少年法はアメリカ・シカゴの法律を参考にして作られている。その後シカゴでは少年の凶悪犯罪の増加で改定されている。日本でも20年ぐらい前から少年法の改正論議があったが、そのままである。(7月11日「ザ・ワイド」)
▼少年法を改正するとすれば、審判に検察官を関与させ、18歳から成年扱いにする。そのほかの年齢規定も引き下げるべきだ。個人的には容疑者少年の情報を家庭裁判所の裁量で公開してもいいと思う。(7月11日「ザ・ワイド」)

デーブ・スペクター氏(タレント)
▼(震災が彼の精神に異常を来したのではないかという意見に対して)卒業文集で(震災の対応が遅れた)村山首相を脅す文章があるのは、震災以前から暴力的なものに興味を持っていたからではないか。(6月30日「ザ・ワイド」)
▼犯行メモは麻原(彰晃=松本智津夫被告)と同じでオリジナリティーがない。(7月22日「ザ・ワイド」)
▼祖母はお年玉などをくれたりするから、子供にとっては「おいしい」存在。だから祖母の死が動機というのは言い訳でしかない。祖母に対してしか愛情が示せないのは、もともと家族の愛情に飢えていたからだ。(7月28日「ザ・ワイド」)
▼少年審判は非公開といいながら、かなり公表されているみたいだ。精神鑑定の結果もいずれ公表されるのではないか。ただ、東京の通り魔事件の犯人が捕まったとき、この事件を真似て同じような犯行ノートを書いていれば、精神鑑定そのものが成り立たない。(8月5日「ザ・ワイド」)

徳光和夫氏(フリーアナウンサー)
▼(番組内で流れた字幕テロップに対して)「ゲームは終わった」のスーパーは不適切だ。私たちはゲーム感覚でこの事件を報道しているのではない。(6月29日「サンデー+30」)

鳥井守幸氏(帝京平成大学教授)
▼義務教育や社会に対する反感などを書いた犯行声明文は本心で書いたものだと思うが、今の捜査状況からでは犯行動機が見えてこない。警察は捜査終了後も概要をハッキリと公開してほしい。(7月15日「ザ・ワイド」)
▼マスコミが視聴者の本音にどこまで触れているのだろうか。識者などの一方的な情報と偽善的な報道をしているが(番組に寄せられた4500通のFAXは)みんな(=視聴者)が身近な問題としてとらえている結果だ。(7月18日「ザ・ワイド」)
▼少年法61条の精神に立てば一般マスコミも容疑者が通う学校名を出してはいけない。またマスコミも「(少年法の)建前が通らない社会もある」ということで、法務省に働きかけることぐらいはすべきだ。(7月18日「ザ・ワイド」)
▼家庭裁判所の審判は、少年の人格、資質を調べて更生を考えるだけで、事件そのものを審議しない。少年には自分の罪を認識させることも必要だろう。(7月24日「ザ・ワイド」)
▼(容疑者少年の「バモイドオキ神」メッセージを読んで)大人達は深読みしすぎ。(犯行メモは)漫画などから引用したに過ぎない。(7月24日「ザ・ワイド」)
▼母親や父親の願望だけで子供を育ててきたから、少年が急激に変化してしまった。(9月16日「ザ・ワイド」)
▼あの事件の後、今持って何も解決していないのは(殴打事件の被害者が警察に届け出たにも関わらず何も操作しなかった)兵庫県警の怠慢である。(9月16日「ザ・ワイド」)

鳥山敏子氏(元小学校教諭)
▼先生や親は、子供に対して自分の都合のいいところしか見ていないから、このような事件で「驚いた」という意見が出てくる。親や教師達の「驚いた」の声に、驚いた。(7月4日「ワイドスクランブル」)
▼(神戸新聞社に送りつけられた)犯行声明文は自分の本心が正確に書かれている。内面の葛藤が声明文に現れている。(7月4日「ワイドスクランブル」)

野元菊雄氏(神戸松蔭女子大学教授)
▼(犯行声明に)難しい漢字ばかりを使っているのは「背伸び」をしたかったからだ。(7月1日「ルックルックこんにちは」)

弘兼憲史氏(漫画家)
▼離婚問題を家裁で扱うのはわかるが、今回のような凶悪事件まで家裁で処理するのは無理があるのではないか。(7月25日「ザ・ワイド」)

深谷昌志氏(尚美学園短期大学教授)
▼今の子供は、テレビやゲームなどの間接的な情報ばかりで生活しているからフィクションの世界を、本当の世界のように思ってしまう。 大人から見ると残虐だが、当人は残虐とは思っていない。相手の痛みを感じていないから、今回の事件は「いじめ」である。(7月1日「ビッグトゥデー」)

福島章氏(上智大学教授)
▼子供のすることは、みんな残虐。たとえば蛙のお尻に火薬をつっこんだり…(6月29日「関口宏のサンデーモーニング」)
▼こういう事件が起こると、すぐ教育、メディアを考え直そうという論議になるのは、どうかと思う。(6月29日「関口宏のサンデーモーニング」)
▼わかりにくい、非常識な犯罪。容疑者が14歳だから非常識なのは納得できる。(6月30日「ルックルックこんにちは」)
▼普通の子供には現実とファンタジー(=言動のママ。フィクションのことか?)を仕切ることが出来る。その子どもたちにホラービデオを見せても大丈夫だが、ホラービデオと現実を区別できない子供が数年に1回は現れる。(7月1日「ルックルックこんにちは」)
▼(犯行メモの)「ハモイドオキ神」とは暗号。アナグラム(文字の並べ替え)すれば「バイオモドキ」になり、コミックなどに出てくる人造人間などに関係がある。もし、フィクションからの引用ではなく少年が作ったものだとすれば精神危機的な病理を示している。(7月22日「スーパーモーニング」)
▼この少年の場合、小学6年の頃に「死刑になってもいいから」村山総理に何かをしたいとか、今回でも「吊されるかも知れない」と言っているので少年法を厳しくしたところで、このような少年に対しては犯罪の抑止力にならない。(7月25日「ザ・ワイド」)
▼少年は精神病に近い状態(9月16日「ルックルックこんにちは」)
▼この子(酒鬼薔薇聖斗)の素質が母親のしつけにミスマッチしている。このような場合は、持続的に母子ともに時間をかけてカウンセリングを受けさせる。こうすれば、母子ともにノイローゼにならなくても済んだかもしれない。(9月16日「ザ・ワイド」)
▼酒鬼薔薇聖斗の作文「懲役13年」は文学的哲学的作品(9月29日「スーパーモーニング」)

藤本哲也氏(中央大学教授)
▼(容疑者が14歳だったことについて)驚いたと言うより、やりきれない。(6月30日「スーパーモーニング」)
▼この事件を個人の問題、特殊な問題として片づけては行けない。大きな社会的要因がある。この事件で反省すべきなのは我々大人である。(7月10日「スーパーモーニング」)
▼(向畑の池の「南京錠」捜索打ち切りのニュースに)もっと捜査して欲しい。(7月14日「スーパーモーニング」)
▼義務教育を批判していた少年が義務教育によって守られているのは皮肉。(7月17日「スーパーモーニング」)
▼最近の少年事件では、家裁の段階で容疑を全面否認するケースが増えてきている。今回の事件も、もう少し捜査するべきではなかっただろうか。(7月25日「スーパーモーニング」)
▼(公表された)供述内容が事実だったとすれば、小学3年のノイローゼで、母親の子供に対するしつけの転換にも(少年が殺傷事件へ至った)問題があった。(9月16日「スーパーモーニング」)
▼結果論で考えると事件を事前にくい止めることができたかもしれないが、あの時点(女子小学生殴打事件)では、ある程度致し方ないのではないだろうか。(9月16日「スーパーモーニング」)
▼(酒鬼薔薇聖斗の作文「懲役13年」は)本能が自我を食いつぶす過程が書かれている。魔物に食いつぶされ、犯罪を犯すまでのプロセスが書かれている。(9月29日「スーパーモーニング」)

町澤静夫氏(精神学者)
▼幼児期から人の痛みがわからないのは脳幹障害など体質的、生物学的なところに問題がある。もっと早い時期に医学的に対処する方法があったと思う。(そのまま育ったから)ホラービデオを見るうちに凶暴性が増幅された。脳異常だと治療法はある。この少年にカウンセリングは意味がない。(7月3日「ワイドスクランブル」)
▼宮崎(勤被告)事件の場合、殺された少女に愛があったが、今回は愛がない。それだけに難しい事件だ。(7月15日「ビッグトゥデー」)
▼少年の凶暴性は幼稚園からあったといわれており、祖母の死が犯行動機とは考えられない。(7月28日「ザ・ワイド」)
▼(酒鬼薔薇聖斗は)親や教育の問題よりも体質的な治療が医学的に必要。(10月20日「ザ・ワイド」)
▼IQが高くないと連続殺人は出来ない。IQが高いがために、それを楽しむことが出来る。(10月20日「ザ・ワイド」)
▼性的サディズムによる殺人は日本で前例がない。精神病院でも彼を治療することは出来ない。(10月20日「ザ・ワイド」)

松原達哉氏(立正大学大学院教授)
▼母親は(実の子どもである酒鬼薔薇聖斗に対して)放任より無関心だった。子供の行動を観察すれば事件は防げたし、別の教育も施せたはずだ。(9月16日「ザ・ワイド」)
▼今後、このような問題が発生した場合、地域、親、学校、精神科医などが連帯して地域ぐるみで問題解決に取り組むべきだ。(9月16日「ザ・ワイド」)

南希美子氏(フリーアナウンサー)
▼友が丘中学の校長の会見は心許ないが、それだけを取り上げるべきではない。罪の償い方を考えてほしい。(7月1日「ザ・ワイド」)
▼14歳だから刑事処分をされないと言うことを知っていて曖昧な供述をしているのではないか。これだけ残虐なことをしているのだから1人の人間として裁かれるべき。(7月15日「ザ・ワイド」)
▼少年犯罪者の人権を重んじて治安をおろそかにする少年法はおかしい。(7月25日「ザ・ワイド」)
▼(公表された供述内容から)母親は自分の心に嘘をついている。見たくないものに蓋をしようとしている。(9月16日「ザ・ワイド」)

宮台真司氏(東京都立大学助教授)
▼これまで(自分の所に来たマスコミからの)犯人像についての取材を拒否してきたが、断片的な情報だけで「みんな、よくそこまで、言えるな」と思った。(6月30日「ワイドスクランブル」)
▼「公園デビュー」で親が子供の自慢話をしている輪の中で「勉強がすべてではないのでは?」と言った途端、仲間外れにされてしまう。これがニュータウン的な人間関係。したがって(容疑者の自宅の)近所の人の証言は、ニュータウン的な見方で「いい家庭」「明るい家庭」でしかない。(7月2日「ワイドスクランブル」)
▼この事件は精神障害、情緒障害、ホラービデオが原因と片づけてはいけない。根本的な事件の解決にはならない。(7月1日「ワイドスクランブル」)
▼今は、子供は勉強だけをすればいいという時代ではない。(7月2日「ワイドスクランブル」)

室生忠氏(宗教ジャーナリスト)
▼「アングリ」(犯行メモに出てくる「儀式」の名前)とはバラモン教の火の神の「アグニの神」のことではないか。漫画の中では生け贄を捧げる神として登場することがある。また、釈迦の弟子でアングリマーラというのがおり、この神は人を1000人殺すことで悟りを開くことができると信じていた。またアングリマーラは殺した人の指などを切り取って身につけていたと言われていることから、(容疑者の少年が)猫の目玉を容器に入れて集めるという行為はアングリマーラに似ている。(7月22日「スーパーモーニング」)

森武夫氏(専修大学教授)
▼14歳だから、これからのことや家族のことを考えずに、このような犯罪が出来た。その点では、まだまだ子供。ゲームの殺人体験が現実に行われた。(6月29日「スーパーモーニング」)
▼犯行声明は創作と思っていたが、少年が逮捕されてからは、かなり、本気のことを書いていると思う。震災以後の精神的な不安を紛らわすためにナイフを集めたり、ホラービデオを見るようになったのではないか。(6月30日「ビッグトゥデー」)  (↑7月1日「スーパーモーニング」でも同様の発言)
▼筋書きは「学校を休むことに決めました」だけで、殺人まで考えていなかったのではないか。(7月22日「スーパーモーニング」)
▼(精神鑑定で)異常少年となれば、医療少年院に送られる可能性もある。医療少年院だと26歳まで収容できる。(7月23日「スーパーモーニング」)

諸沢英道氏(常磐大学学長)
▼(容疑者が14歳だったことについて)大変ショック。同時にやっぱりかとも思った。事件が発生した直後、一瞬、少年の犯行と思ったが、挑戦状の文を見ると成人ではないかと思うようになった。判断を誤った。(6月30日「おはようナイスデー」)
▼「殺すのは(殺された)少年でなくてもよかった」とは言うが、自分と比べて年齢が低いなど、優劣関係のある少年をターゲットにしている。(7月1日「ビッグトゥデー」)
▼心の傷を癒すのが学校。学校は家庭の問題を友達や先生が癒す場所でなければならない。(7月2日「おはようナイスデー」)
▼あの街は通り魔が起こりやすい街。襲って2秒もすれば死角に行ける。あのような街を造った理由も考えなければならない。(7月4日「おはようナイスディ」)
▼(東京で「被害者の会」を名乗ったジャーナリストが容疑者の似顔絵を配布し、カンパを集めていた事実に対して)容疑者である少年の似顔絵を配布する行為で「被害者の会」を名乗らないでほしい。(7月7日「おはようナイスディ」)
▼(犯行声明文のナンバリング「9」は)少年の意識の中の数字なので、刑事事件を9件やったというわけではない。(7月8日「おはようナイスディ」)
▼(向畑の池の「南京錠」捜索打ち切りで)南京錠は証拠として欲しい。これだけ(=見つかっている金槌やナイフ)では、刑事事件なら決め手にならない。刑事事件で有罪に出来るほどの捜査をしてほしい。(7月14日「おはようナイスディ」)
▼この事件では弁護士の資質が問われている。(容疑者の)少年の弁護士は被害者側の情報も少年に伝えるべき。倫理観に基づく弁護をしてもらいたい。
▼精神鑑定では幼年期から分析すべきだ。(7月28日「おはようナイスディ」、同日「ビッグトゥディ」でも同様の発言)

安本美典氏(慶応大学教授)
▼(逮捕された少年は)表現力があり、知的レベルは高い。「ボク」「ぼく」「僕」や文末の句点の有無などのばらつきは、やはり中学生。「透明な存在である友人」は宮崎勤事件を真似て精神分裂者を装っている。(6月30日「ワイドスクランブル」)
▼自分が攻撃されると過剰に感じるのに、他人を傷つけると何とも思わない。共感性がない点では宮崎勤被告と同じ。(7月3日「ワイドスクランブル」)
▼少年は殺人を「聖なる儀式」と言っているが、これはフィクションの中から現実を見ている。「筋書き」でも友達を殴って先生に怒られる。そして登校拒否になる・・・という筋書きだとすれば、計画的な犯行。(7月22日「スーパーモーニング」)

山形美房氏(レポーター)
▼友が丘中学校の校長の応対は、校門圧死事件があった神戸高塚高校の校長の応対と全く同じで、まじめに事件を解決しようという姿勢が感じられない。(7月2日「ワイドスクランブル」)

山崎哲氏(劇作家)
▼われわれ大人達が子どもたちを放っておいたツケが、このような形で現れた。(6月30日「おはようナイスデー」)
▼(容疑者が殺された少年の頭部を家に持ち帰ったにも関わらず、家族が気づかなかったというレポートについて)大人は子供を一方的に見ていないから、子供のウラの部分は見えてこない。同級生もインタビューで容疑者の少年が不審だったことをしゃべっているのに、逮捕されるまで、それが出てこなかったのは、親と会話していないからだ。(7月1日「おはようナイスデー」)
▼彼が少年院を出ても(社会に)受け入れ態勢がない。また、この少年が完全に更生できるのだろうか。(7月1日「おはようナイスデー」)
▼(阪神・淡路大震災で)神戸の人が死にそうなときに村山首相がスイスの救援隊よりも対応が遅かったことが、少年を凶暴化させた。一国の首相ですらあのようなことをしているのだから(少年も人を殺して)いいと思ったのではないか。(7月2日「おはようナイスデー」)

山田秀雄氏(弁護士)
▼被害者の視点で考えること、少年法の議論はいいことだが、容疑者の少年のプライバシーを暴くことは間違っている。(7月7日「おはようナイスディ」)

湯川レイ子氏(音楽評論家)
▼今は、学校も家庭も子供の多様化に対応できていない。親は日常的に子供をカウンセリングすることが大事。(7月2日「ザ・ワイド」)

横田仁氏(慶応大学教授)
▼テレビゲームをする感覚で殺人を犯した。(7月1日「スーパーモーニング」)

吉永みち子氏(ノンフィクションライター)
▼この年齢は、まだ更生できる余地が残されている。写真公開は加害者の家族が悲しむ。(7月7日「スーパーモーニング」)
▼「変わった子は危ない子」という雰囲気を学校や親たちが作っている。これまで無視され続けた「変わった子」が目立つために殺人を犯してしまう。(7月10日「スーパーモーニング」)
▼(酒鬼薔薇聖斗の作文「懲役13年」で)彼は独りで誰かに自分の気持ちを知ってもらいたかったから、友達にワープロ打ちさせたが、結局、わかってもらえず、自分が魔物になってしまった。(9月29日「スーパーモーニング」)

ロバート・K・レスラー氏(元FBI捜査官)
▼犯行声明は捜査を攪乱するために出す。したがって犯行声明に書かれてある文章は、すべて逆の意味で解釈すればよい。たとえば「ボクが子供しか殺せない幼稚な犯罪者と思ったら大間違い」の部分は「自分が子供だ」と言っているようなものである。(7月1日「ザ・ワイド」)
▼凶悪犯罪に至る3つの条件…「小動物虐待」「放火癖」「10代になっても夜尿症」・・・ただ小動物虐待はバッタやトンボ、カエルなどをいじめたりすることは多くの人が経験するが、ほとんどの人が成長の過程で親などに、とがめられ、やめてしまう。(7月3日「ザ・ワイド」)
▼(容疑者少年の「バモイドオキ神」メッセージを読んで)自分の分身である神を創り出し自分の行為を正当化させた。(7月24日「ザ・ワイド」)
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