酒鬼薔薇聖斗事件・点と線

最終更新:1997年9月6日
(97/09/06)酒鬼薔薇聖斗をかばっていた友が丘中学校教師たち
 新学期が始まりました。神戸の小中学生の登下校も普通になり、みんながまばらに帰る姿、見慣れないせいか、妙に新鮮に目に映ります。
 さて、神戸でも、すでに過去の出来事になった「酒鬼薔薇聖斗事件」。「風見鶏」では今後も、追い続けていきます。
 今日は、そんな今だから発覚した「友中」教師の実態を暴露します。
 すでに、ご存じの通り酒鬼薔薇聖斗事件は、今年2月の女児襲撃事件に端を発しています。
 このときの女児は、一時、重傷を負いましたが、一命をとりとめました。
 そこまではよかったのですが、この女児は、酒鬼薔薇聖斗が着ていた制服を覚えており、すぐに女児の母親は目撃した制服から「友が丘中学校」の生徒であることを見抜き、中学校へ出向きました。
 母親は「娘を殴った生徒を捜し出してほしい」と応対に出た友が丘中学の教師に嘆願しましたが、学校側は「生徒のプライバシーの問題」をたてに、学校側は「うちの生徒ではない」と言わんばかりに、母親の願いを突っぱねました。
 子供のことを思う母親の当然の行動に学校は答えなかったのです。
 結局、友が丘中学教師のその行為は、日本中を震え上がらせた殺人犯「酒鬼薔薇聖斗」を神戸市立友が丘中学校から送り出したのです。


(97/08/20)次々と逮捕される神戸の中学生!!
 酒鬼薔薇聖斗が少年審判に入ったため、あれほど加熱した「少年法」改正論議もどこかへ消えてしまった。
 全国どこでもそうなのかも知れないが、夏休みは中高生が非行に走るシーズンでもある。しかし神戸では、夏休み、次々と中学生が逮捕されているのだ。

 まず、常習的ないじめで、夏休みに逮捕された北区在住の男子中学生2人と男子高校生1人の3人組のお話。
 4月6日深夜、日頃から苛めていた高校生に対して「買い物が遅い」とエアガンで数百発を乱射、さらに木刀で殴り、ナイフで切りつけるなどの集団リンチを加えた。高校生は全治1か月の大けがを負った。
 6月にも、この高校生に、いわゆる「根性焼き」をするなどして、苛めていた。
 逮捕された中高生は、4月からほとんど学校に通っておらず、仲間の家にずっとたむろしていたという。

 次は西区の男子中学2年生4人組のお話。
 同じ中学に通う中学2年と3年の女子中生2人にシンナーを勧めようと、西区内の空き家に連れ込んだ。
 そのうち男子中学生1人が、中学2年の女子に対して乱暴をはたらき、中学3年の女子から1万円を恐喝した。

 2つの事件は、酒鬼薔薇聖斗事件と同じく中学生によって引き起こされ、ニュータウン地域で発生しているという共通点がある。
 唯一違うところは、徒党を組み、1人あるいは、女子を苛めているという点。
 いったい、何が彼らをそうさせたのだろう。「ニュータウンの街の造りや人間関係」が中高生の犯罪を誘発していると考えられないだろうか…


(97/07/26)関西テレビ「垂れ流し報道」で視聴者に謝罪!!
 「風見鶏」は兼ねてからマスコミに対して「誤報垂れ流しに対する反省」を求めてきましたが、ついに、7月25日、関西テレビが、ローカルニュース番組「ザ・ヒューマン」(月〜金曜18時25分から19時)の番組内で「視聴者に誤解を与えた」と、事実上の謝罪放送を行いました。
 謝罪コメントは18時36分から約2分間、男性アナウンサーによって読み上げられました。謝罪内容の「概要」は以下の通りです。
 関西テレビでは、現場付近住民の不安を取り除くことと、事件の早期解決を願うばかりに、不審人物の目撃情報を、そのまま放送してきました。
 しかし「南京錠を買い求めた男」「黒い車の男」などといった情報は、今となっては、全く事件とは無関係の情報でした。視聴者の皆様に誤解を与えるような放送をしたことに対して謝罪すると共に、関西テレビでは、この事件の教訓を、今後の報道に活かしていきます。

(97/07/19)集団登下校の引率の先生に二言三言
 18日、神戸市内の学校は1学期の終業式があった。たまたま市内の某人工島にある某小学校の集団下校に出くわした。
 子どもたちは今日で学校が終わって嬉しかったのかどうか、わからなかったが、それはまるで遠足のように楽しそうだった。約40人ほどの集団に先生が1人、子どもたちの輪に交じって黙々と歩く。
 ところがである。その列の最後尾、約5メートルの歩道を蛇行しながらふざけあって歩いている2人の男子小学生がいた。
 そのうち1人が、蛇行しながら走ってきたため、思わず、その小学生と、歩いていた私がぶつかりそうになった。
 まあ、お互いぶつからなかったし、彼に謝罪してほしいとは思わなかったが、彼らが通り過ぎたとき、ふと思ったことがある。
「引率の先生は何のためにいるんや」
 最後尾の子どもたちが歩道としては広い5メートルほどの道を行儀悪く蛇行しているのに、先生は何も注意しないどころか、彼らの行動を全く見ていない。
「もし、昼間からブラブラしている(別にブラブラしていた訳ではないけど…)私が彼らを注意した場合、先生は、私に何を言うだろうか」
「私が通り魔だった場合、すれ違いざまに彼を刺していたら…」
 様々な想定が考えられたが、そこから導き出された答えは1つである。
「この集団登下校は、無意味である」
 気休め以外の何者でもないのだ。容疑者が逮捕されたから先生も気を抜いていたのだろうが、それでも集団登下校を続けているのは、最低でも「子供の命を守る」という理由があったはずである。
 この近くには兵庫県唯一の民間テレビ局がある。(しまった!! こんなことを書くと小学校かわかってしまう…) 別に取材をしていたわけではないが、集団登下校は先生たちのマスコミに対するポーズ、パフォーマンスではないかと思うのである。
 神戸市教育委員会では2学期からは「子供の自立」のためにも、市内の公立小学校で行われていた集団登下校を中止するという。
 「子供の自立」云々よりも子供の命のためにも、神戸の先生の恥をさらさない意味でも荒唐無稽の集団登下校はやめるべきであろう。

(97/07/12)事件を利用してまで金儲けしたいか〜便乗商法あれこれ [関西&東京発]
 兵庫、大阪の両府県を中心に、今「子供のためにPHSを買いませんか」というチラシがばらまかれている。
 そのチラシの発行元は「児童愛護団体」となっており、内容は一連の神戸須磨の猟奇事件を引き合いに出し、親と子供がいつでも連絡できるように「PHS」を数ヶ月間、安くレンタルするという内容になっている。
 しかもレンタル料の一部は「PHSメーカー」が「補助」として負担するという。
 チラシに書かれている「児童愛護団体」の電話番号は代行業者のもので、「愛護団体」の実態を問い合わせても「お答えできません」の一点張りである。
 ということは名前からして胡散臭い「児童愛護団体」は実態すら団体と言えるし、チラシ通りメーカーがこの団体に補助金を出しているとすればPHS業界はとんでもない「かたり商法」の手引きをしていることになる。
 この団体やPHSメーカーのことはともかくとしても、この団体が掲げる大義名分通りに、子供にPHS電話を持たせたからと言って親は安心するのだろうか。
 そうでなくても携帯電話やポケットベルは援助交際の連絡手段として多用されているし、子供側で電源を切ってしまえば親との連絡は簡単に絶たれてしまう。むしろ親としては心配ではないだろうか。
 さらには、最近、容疑者宅や弁護士、友が丘中学に頻繁にかかっているようなイタズラ電話に利用されることも考えられる。その代金を負担するのは親である。
 今の子供なら親や「児童愛護団体」の真意に反した使い方をするのは目に見えるだろう。

 次に東京に突如出現した「被害者の会」。フリージャーナリストを名乗る人物が「この事件の少年の被害者遺族を救済しよう」という名目で旗揚げした団体である。
 主な活動は容疑者少年の似顔絵を街頭でばらまきながら、少年法の改正を進める署名活動を行っている。
 実は、この活動を目撃した方の情報によると「容疑者の似顔絵」は署名やカンパをした人に配られていたという。
 ここで問題にしたいのは「容疑者の似顔絵」の頒布や署名活動の是非ではない。カンパなのだ。
 このフリージャーナリスト氏によればカンパを「被害者の遺族に届けたい」という。果たして正論なのだろうか。
 事件と無関係の人間が、あたかも被害者の立場に立って善意でしていることだが「容疑者少年の肖像問題」はまだ決着していないうえに、事件の当事者が今すぐ考える問題ではないだろう。
 しかも法治国家の判断では彼は「容疑者」であって、犯人ではない。
 「容疑者少年の肖像問題」は、この事件を教訓として将来に予想される少年犯罪を視野に入れて検討すべき問題であって、そのことで被害者の人権を金銭で償おうとするのはどうだろうか。
 その似顔絵を売った金を被害者のご遺族に渡すことによって、被害者のご遺族を救えるというのは、おかしく、一歩間違えばご遺族を「容疑者少年の肖像問題」の加害者に仕立ててしまう事にもなりかねない。
 もし、関係者がこの文をお読みになられていたら、ただちにカンパの使途を見直していただきたい。また「被害者の会」という名称も赤の他人が用いるものではない。(フリージャーナリスト氏は、この事件の傍観者の一人なのだから被害者ではないはずである)
 本当に少年法改正と被害者の人権を考えているのなら、名称の変更も考えていただきたい。主宰者のジャーナリストがどのような立場の人間なのか存じ上げないが、関西のフリーライターの間では、あなたがたの活動は「事件に便乗した売名行為」と取られている。
 もちろん、私たちも「被害者」ではなく「一傍観者」なので、このような勝手な判断はよくないと思うが、被害者のご遺族は、未だにマンションにたむろする悪質マスコミを嫌って外出も出来ず、気の合う近所の人にすら会えない状況にあるのは事実なのだ。たとえ善意であっても被害者のご遺族が「重い扉」を開けて、そのように集められた金銭を受け取るだろうか。
 最後に「被害者の会」の活動内容を批判しているのではないことを記しておく。


(97/07/05)事件報道の最中、仮設住宅を慰問していた芸能人の立場
 芸能ワイドショーが「酒鬼薔薇聖斗ショー」に変質していた7月1日、同じ神戸市内の阪神・淡路大震災被災者の仮設住宅をひとりの有名歌手が慰問していた。
 いったい誰だと思います? 特にワイドショーウオッチャーの皆さん。
 解散した米米クラブのボーカリスト・カールスモーキー石井さんが東灘区六甲アイランドの仮設住宅を訪問していたのだ。
 本誌ワイドショーウオッチャーの話によると、この話題はどこのワイドショーでも取り上げられていなかったという。
 ワイドショーレポーターが同じ神戸市内に集結していたにも関わらず…
 このようなことを大っぴらにするのは、もしかすると本人の意志に反すると思うが、とりあえず、客観的事実を記しておく
 石井さんは映画撮影中、ロケ地のオーストラリアで阪神・淡路大震災の報にふれ「被災者が苦しんでいるのに何もできなかった」と、忙しいスケジュールの間を縫って、ボランティア団体「神戸元気村」の活動をバックアップしていた。
 この日は仮設住宅居住者に米を配り歩いた…というもの。もし、ワイドショーのネタがなければ確実にワイドショーで取り上げられていた話題だっただろう。

(97/07/05)「酒鬼薔薇」マークで飛び交う流言飛語
 これまで、ゾディアック事件を真似ていたのではないかと噂された、独特の「酒鬼薔薇マーク」(編集部では便宜上、こう呼ばせていただきます)について、次のようなデマが流れている。
 実は「酒鬼薔薇聖斗」をリーダーとする同級生6人の間で、事件以前から、仲間のシンボルマークとして使われていたというのだ。
 デマとはいえ「酒鬼薔薇」一派の6人(酒鬼薔薇を含む)は実在する。また、殺された少年や、他の小学生と共に外で遊ぶことが多かったため、現場付近の住民の間では「優しいお兄さん達」として知られていた。ところが、タンク山のアンテナ施設のような街の死角になるような場所に来ると、彼らは豹変して殺害された少年を「格闘テレビゲームの技」をかけるための「実験台」にしていたのだ。
 殺害は単独犯とされているが、彼らを知る同級生によると「酒鬼薔薇」一派に所属していた他の5人も、殺害された少年に対するいじめに加担していたのは生徒の間では有名な話だったという。
 それならなぜ、同級生たちは、彼らの、そのような行為を止めようとはしなかったのだろう。
「以前、酒鬼薔薇聖斗は同じクラスの子を殴って、転校させてしまってから、恐くて誰も酒鬼薔薇聖斗に近づかなかった…」
 こちらはこちらで難しい問題である。

なお、マークにまつわる次のような情報は全くの流言飛語と思われるので、注意していただきたい。
・「酒鬼薔薇」一派のメンバーの一人の親は、息子が、このマークを仲間内で使っていたことを知っていたので、息子に「このマークのことは友達にも、先生にも、警察にも言ってはいけない」と注意した?

 この話題とは少しかけ離れるが、容疑者の母親が容疑者の逮捕前、新聞のインタビューで「犯人の両親はなにをしているのでしょうか」というようなことを言ったというが、逮捕前からなぜ犯人が「親の監督下」にあるとわかるのだろうか。冷静に考えれば、デマとわかる流言飛語である。


(97/06/27)消印は「神戸西」ではなかった? & 郵便局員のモラル
 今日の第1報とも言うべき情報。これまで、神戸新聞社に送りつけられた犯行声明文の消印は「神戸西」郵便局と報道されていましたが、捜査本部筋から漏れた情報によると、消印は、犯行現場を管轄する須磨北郵便局のものと断定しているらしい。
 犯行声明文の封筒に貼られていた100円切手には特殊なコーティングを施していたために、消印が不鮮明で、神戸新聞社の会見によると「戸」と「中」あるいは「西」らしき文字が封筒に押されていたとのこと。
 当初、県下最大の集配数がある神戸中央郵便局(中央区管轄)と見られていたが、その後、神戸西郵便局のアルバイト局員が「神戸新聞社宛の消印が押しにくい郵便物があった」とマスコミに漏らしたために、情報は神戸西郵便局(西区管轄)に変わった。
 おまけに、マスコミによって酒鬼薔薇が投函したと言われるポストまで割り出されたが、今日の時点で、この情報も怪しくなってきている。
「戸」は、実は「磨」の文字がかすれたもので、「中」あるいは「西」の文字も「北」であるという見方なのだ。
 ところで、この消印が「神戸西郵便局」だったとしても、問題にしなければならないのは、アルバイトとはいえ、この情報をマスコミに漏らした局員のモラルである。
「憲法で『通信の秘密』が明記されているので、どこの誰がどこへ差し出した手紙なのか、他人に公言してはいけない」
 これは筆者が以前、郵便局でアルバイトをした初日に、当時の課長から、たたき込まれた言葉である。
 マスコミの報道が正しいとすれば、この「臨時局員」、憲法違反、公務員の守秘義務違反に問われるべきではないだろうか。
 インターネットユーザーの間で「酒鬼薔薇疑惑」が持ち上がってから「通信の秘密」が守られない状態に危惧する声が囁かれている中、比較的安全だった郵便でさえも、局員の判断で怪しいと思えば、他人に通信の秘密を公言してしまう世の中になってしまったのだ。
 やはり民営化したほうが、いいのだろうか。郵便局は…。(該当する郵便局員に取材をしていないので、強く言えない)

(97/06/27)神戸へ集結する新聞拡販団の謎
 あの陰惨な事件が発覚してから1か月が経った。しかし、なぜか、ここのところ目立って、新聞勧誘が多くなった。
 特に先々週、「朝日新聞」が入れ替わり立ち替わり、3日に1回のペースでやってきた。それも新聞拡販団独特の人相の悪いおっちゃんばかり…
 いったい、ここ1か月、目立って新聞勧誘が多くなっているのはなぜなのだろう。ちょっと調べてみると、やはり、あの陰惨な事件が原因らしい。
 神戸と新聞拡販団と言えば「阪神・淡路大震災」の、あの大地震の直後(私は「震災後」という言葉は、公私ともに使わないことにしている。この意味が分からない人は、一度神戸へ遊びに来ることをお薦めする)のエピソードが思い出される。
 神戸新聞社本社が震災で全壊したにも関わらず、必至に新聞発行を続けていたころ、「朝毎読」の拡販団が一斉に震災で打ちひしがれた街に投入され「神戸新聞はつぶれる」というデマをまき散らしながら、神戸新聞読者を食い物にした。
 特に朝日新聞のやり口はひどく、神戸新聞読者を朝日新聞読者にした勧誘員には「神戸新聞」の頭文字を取って「K賞」と名付けた臨時ボーナスを出した。
 この話は週刊誌にも取り上げられたほどの、全国紙の悪態である。(詳しく知りたい方はプレジデント社刊『神戸新聞の100日』をお読みください)
 ところが今回は、状況が違うのだ。
 神戸の全国紙読者が『神戸新聞』にシフトしているのである。
 キヨスクの新聞売場で、特に、この傾向がある。今までスポーツ紙を除く新聞の売れ筋は「日本経済新聞」が優位だったが、酒鬼薔薇聖斗が犯行声明を神戸新聞社1社だけに送付したことが明らかになってからは、神戸新聞が飛ぶように売れ出したというのである。
 全国紙が信用できないというわけではないのだろうが、この事件に関しては、神戸新聞に速報性があるのは事実なのだ。
 特にワイドショーの、この事件の報道は神戸新聞に掲載された記事を2、3日後に映像化するといった手法が使われている。
 また、6月6日付けの朝刊各紙を見れば、その差は歴然である。この日の未明、神戸新聞社は酒鬼薔薇聖斗から犯行声明を送りつけられていたことを公表した。
 詳しくは下記の通り。ここで取り上げた新聞は、すべて神戸市内で配達されたものを基準としている。
●朝日、読売、産経…一面の片隅に大きな見出しを付けているが、犯行声明全文は掲載されていない。「神戸新聞社に犯行声明文が送りつけられた」という記事と、犯行声明文の主立った内容が断片的に記されている。
(ただし、大阪市内で配達、発売された全国4紙は犯行声明全文を掲載していた。特に産経新聞は1面中央に全文を掲載)
●毎日…一面の片隅に地元新聞社に犯行声明が届いていたこととの簡潔な記事を載せ、社会面に全文を掲載。
●神戸…一面全体に犯行声明の要約と社告「読者の皆様へ」と酒鬼薔薇が明かした第1犯行声明の全文。第2犯行声明全文は社会面に掲載。
ちなみに神戸新聞社の子会社でもある『デイリースポーツ』も犯行声明の全文を掲載していた。
 あと『週刊新潮』6月19日号の広告で「神戸小六男児生首事件」と名付けられた見出し部分を、全国紙はそのまま掲載したが『神戸新聞』は「生首」の部分を消して掲載した。
 新聞社に良識があるのかどうか、こんなところでも比較できるのである。
 逆に言えば、神戸市民は、それだけ、この事件に対する正確な報道を求めているのだ。
 ところで『朝日新聞』さん。「6か月タダにするから、朝日をとって」というのは規約違反じゃないですか?

(97/06/18)反省なき須磨ニュータウンの住民たち[須磨区発!!読者情報]
 テレビのニュースなどを見ていると「外で遊ぶ子供は街から完全に消えました」などとほざくレポーターをよく見かけるが、この現場付近に住んでいる者として一言、言いたい。
 もともと、この辺りは学校の数に反比例するぐらい、外で遊んでいる子供は少ない。学校の集団登校を見て、この街には、こんなに子供がいたのかと驚いているぐらいだ。
 今、事件のポイントとなっている「北須磨公園」には、震災被災者向けの仮設住宅があり、仮に沢山の子供が遊んでいたとしても、十分に遊ぶスペースはない。市街地の公園に比べて、遊具も少ない。
 須磨ニュータウンのほとんどの子供は、学校が終われば塾へ行く。それも夜10時ごろに帰宅する小学生はざらにいるのだ。
 以前から、公園で沢山の子供が遊んでおれば、こんな陰惨な事件は起こらなかったと断言できる。
 もともと、この街は外に出歩く子供(大人も含む)が少ないのだ。

 あの陰惨な事件後も、その光景は変わらない。レポーターは事件前の街の様子も知らないくせに間違った情報を全国に発信するのはやめてほしい。
 変わったと言えば、警察官に混じって、街を徘徊する、頭の悪そうなレポーターとテレビカメラマンらの行列が目立って多く見かけることぐらいだ。
 その証拠に、以前、このページでも指摘しておられたが、自治会の自警団の面々が、未だに高齢者ばかりなのだ。

 小学生を持つ親たちに言いたい。
 自分の子供を犯罪者から守るのは、親として当然である。しかし、その守り方が、ちょっとずれているのではないだろうか。
 あまりにも過保護で陰気である。
「外に遊びに出さない」のではなく、こんな時だからこそ、周りの友達と外で遊ばせる。そして、遠くで親が見守ってやる。
 こうすれば、街は活気づくし、外は大勢の人で埋め尽くされるから、酒鬼薔薇のアホも次のアクションがしにくくなるだろう。
 また、親たちは積極的に自警団に加わることもお薦めしたい。参加することによって子供の安全はもとより、街の安全も守れるほか、テレビや新聞などではわからない捜査本部の情報も得られる。
 特に夜のパトロールは、親たちも子どもたちも家にいる時間に設定されているから、安心だろう。
 過保護にするのではなく、そんな街を住み易くするために立ち上がる親の姿を子供に見せるべきでもある。その考えは、子供に親も「酒鬼薔薇が恐いんだ」と思われ兼ねないし、逆に、子供から「頼りない親」と受け取るられかねない。
 子供に「外へ出るな」と闇雲に押しつけるだけでは、何の解決にもならない。自分の子供だけ危ない目に遭わなければいいという教育が今回の事件を生み出したということを、親たちは認識すべきである。

 最後に、土師淳君の死は土師家だけの損失ではなく、須磨ニュータウンの住民は街全体の損失であると考えてほしい。


(97/06/15)インターネットと酒鬼薔薇の怪しい関係[読者情報]
 ここ数日、話題になっているインターネットの「酒鬼薔薇」の件ですが…ネット上でも相当、情報が錯綜しています。
 これまでは、偽者がチャットや伝言板を荒らし回り、管理者から出入り禁止になるなどという「便乗犯」が横行(流行?)していました。
 一部の新聞報道によれば、事件の1〜4か月前に「酒鬼薔薇」の赤文字の羅列が画面いっぱいに映し出されるホームページを見たという人が複数いたそうですが、どうも、この情報も怪しいようです。
 問題のページは大阪の接続業者のホストコンピュータにあるとのことですが、インサイダー情報によると問題になっているページはチャットの類で、画面上に「鬼」や「酒」等という文字を好んで使う人間がよく参加していたということです。
「酒鬼薔薇」の羅列の目撃証言は、目撃者の思いこみではないでしょうか。
 新聞紙上では、このページを見るには「パスワード」が必要となっていますが、新聞紙上で大きく取り上げられたため、主催者側は、このチャットを閉鎖したようです。

(97/06/18)編集部発!!追加速報  この伝言板を設置していたのはKと名乗る人物。
 K氏に取材をした某氏の情報によると2月頃にマスコミで指摘されたような書き込みがあったのは事実で「死ね」などの文字があったことは記憶しているが「酒」「鬼」「薔薇」が書き込まれていたというのは、管理者であったK氏は記憶していないとのこと。
 また、この管理者は「マスコミ関係者の取材は来るが、警察からは何の連絡もない」と語っていたといいます。
 事実、兵庫県警筋も、関連のホームページは捜査対象になっていないとのことです。
 この情報も、やはりマスコミの針小棒大・竜頭蛇尾情報のようです。


(97/06/13)車の色が「黒」から「白」になった理由〜マスコミの先行情報も危険!!
 遺体の一部が放置された友が丘中学校付近で目撃された車の色が、当初「黒」として報道されていたのに、いつの間にかマスコミでは「白」の車が怪しいとなっているのにお気づきだろうか?。
 この真相は、こうである。
 もともと、遺体の一部が置かれた早朝に現場付近で黒い車を目撃した人が多くいた。そのうち、当日、校門前を走っていたタクシードライバーは車種まで覚えていた。
 そこに解体業者へかかってきた変わった解体要請の電話の車種と一致。いつの間にかマスコミの間では、販売台数の少ない、この車種の黒い車を「酒鬼薔薇」の車として断定した。
 ところが、この「先行」報道に困った捜査本部は「黒い車は目撃情報の一部にすぎない」と否定。
「ひとつの車ばかりを重要視すると、目撃者に固定概念を植え付けることになり、ほかの目撃情報が集まらなくなる」という理由から、捜査本部側はリーク(非公式に報道関係者へ流す捜査状況)で「白い車の目撃証言もある」と伝えた。
 それが、現地で取材している報道陣に広がると、以前の「怪しい黒い車」は、いつの間にか「怪しい白い車」にすり替わっていったわけだ。
 今報道されている「白い車」も目撃情報のひとつであって、必ずしも、警察が断定しているものではない。
 特にこの事件に関しては、かなりの誤報や、マスコミ報道に煽られた目撃者の思いこみも含まれており、それも、警察の報道規制ではなく、マスコミの勝手な判断で流されているものがほとんどなので、注意していただきたい。

 なお、一部メディアで伝えられる「酒鬼薔薇のモンタージュ写真が出来ている」という報道は、現段階で正確な情報ではない。
 周辺住民に聞き込みに回っている捜査官が持ち歩いている「モンタージュ」は、3月に発生した「通り魔事件」の目撃情報を元に作成されたもので、今回、新たに作られたものではないことを、ここでお断りしておきたい。
 もちろん、モンタージュの男が「酒鬼薔薇」ではないとも言い切れないのだが…

最近のマスコミ報道では…
 十字マークのモデルが「ゾディアック事件のマーク」から「ファミコンゲームの隠れアイテム」に、
  神戸新聞社の声明文の誤字と似通っているワープロが「大阪の某メーカー製のワープロ専用機」から「アメリカ製パソコン用の日本語ワープロソフト」に変わっています。


(97/06/03)流言飛語?? ワイドショーコメンテーターの不用意な推理で住民同士が「不信感」
 この事件が発覚してから血なまぐさいことが大好きなワイドショーは、さまざまなジャンルのコメンテーターに事件の推理をさせているが、あるテレビで不用意な推理を公表したために、真に受けた事件現場付近の住民の間で、芽生えたばかりの結束が崩れつつある。
 その推理とは
「犯人は今も、ごく普通の顔をして住民と接しているかも知れない。もしかすると淳君の葬儀に何食わぬ顔をして参列していたかも知れない
 事実、過去の殺人事件では、このような前例がある。
 ただ、この付近は新興住宅地で、これまで近所の住民同士のつきあいが親密にあった地域でもなかった。しかも、神戸市内でありながら、地域住民の結束が問われた「阪神・淡路大震災」でも被害はほとんどなかった。
 住民の入れ替わりも激しいことから、どうしても「隣近所」のつきあいは疎遠にならざるをえない地域でもあった。
 この事件をきっかけに住民が結束し始めていた矢先の、この推測。
 一部では「あの人が怪しい…」などの勝手な推測が、今や「流言飛語」として飛び交い、せっかく、目覚めた「ご近所の結束」にひびが入り始めている。
 しかし、ワイドショーのコメンテーターが、この事件の推理をしたところで、コメンテーター自身の利害に何の影響もないのだから、あまり、直接的な表現で推測を公表するのは、どうかと思う。「警察はあてにならない」というのなら、別であるが…

このレポートを受けて、本誌では「風見鶏」第2号更新と同時に、ワイドショーコメンテーターの推理一覧を、このホームページで公開しました。
 編集部の主観は一切入れず、客観的にリストアップし、そのコメントや推理が的確かどうかを皆様の視点で判断していただく材料として提供いたします。

 フレーム機能をサポートしているブラウザで、事件の経過と共に見ることが出来ます。ご覧になりたい方はココをクリックしてください。


(97/06/01)警察が注目するホラービデオ
 須磨警察署は管内のレンタルビデオ店でホラービデオを借りた客のリストアップを始めた。これは事件の一部が、5月初旬に発売された「フェティッシュ」(クエンティン・タランティーノ監督)に酷似しているという観点から進められているもの。もちろん「宮崎勤事件」の教訓も含まれている。
 ホラービデオ愛好者は、こういう猟奇事件があれば、真っ先に疑われていることを知っておくべきだろう。

(97/06/01)須磨警察署もお手上げ? 善意の「迷惑電話」
 電話といえば、この事件の捜査本部が置かれている須磨警察署では、これまでに約200件の情報が寄せられている。ところが、その80%以上が「酒鬼薔薇聖斗」の推理に関するもので、直接、事件の解決には結びつかないものだという。推理するのは勝手だが、警察に、わざわざ、その報告をする必要があるのかどうか…。せめて、事件捜査に役立ちたいと思うのなら、この事件に酷似した物語、漫画、映画などがあるなどといった情報を送るべきでしょう。

(97/06/01)あの事件はどうなった?
 ローカルニュースからも消えた奈良県月ヶ瀬村の「女子中学生行方不明事件」。こちらも事件未解決だが、こちらは捜査本部の規模が縮小された模様。一部では、須磨の事件とも関連があるのではないかと言われている。
 大きなニュースにはなっていないが、大阪では、ここ数日、塾から帰宅途中の小学生を狙って、首を絞める、体を触るなどの変な事件が相次いでいる。
 須磨の事件で、ついに政府も事件解決へ動き出したが、それでも関西の子供は、変質者に狙われ続けている。
 ちなみに、神戸市民は経験的に政府を信用していない。
 しかも、警察庁は全警察力をあげて解決に全力を注ぐようなことを言っているが、この事件は広域事件ではないため、行政的にも兵庫県警が単独で捜査を行わなければならない。
(ただし、兵庫県警には全国の警察から500人が出向しているが、この人たちは「震災の事後対策」(仮設住宅のパトロールや住民相談など)担当として派遣されている)

(97/05/31)市内で便乗イタズラ多発、子供向けイベント相次ぐ中止
 スポーツ新聞を中心にパソコン通信「HabitatII」の話題が掲載されたが、神戸市内の小中学校では「サカキバラ」などの名を名乗り「生徒を殺す」というイタズラ電話が相次いでいる。
 電話を受けた学校側は、大事をとって、生徒は保護者同伴で帰宅させるなどの措置を取り、パニック状態である。こういった被害にあった小学校の中には、阪神・淡路大震災で生徒が犠牲になった学校もあり、生徒の間に再び「死の恐怖」が広がっている。
 もちろん、これらが単なるイタズラなのかどうかは、分からない。
 この一方で、須磨区、垂水区を中心に子供向けのイベントが次々と中止になっている。中には消防署主催の消防車写生会など、公的なイベントも含まれている。

(97/05/31)殺人犯よりカメラに怯える小学生
 東京のマスコミが神戸に一堂に会したのは1995年1月17日以来のことである。
 あのときもふざけたマスコミ報道が問題になったが、今回の事件でも、マスコミは迷惑な取材活動を行った。
 犠牲者となった男の子が通っていた小学校の校門前には、数十メートルに渡って、カメラの砲列が並んだ。それは異様なものである。
 しかも、多井畑小学校校門前の歩道は約2メートル。そこに無秩序にテレビや新聞社が陣取った。生徒が通る道は実質1メートル程度。おまけに防犯上、集団登下校であるから、
 校門前の混雑は、生徒にとって苦痛である。特に登校時は、校門前に人だかりができ、授業に遅れそうになった生徒もいるという。
 こんな状況で、子供が、ようやく一人通れるかどうかの道しかないところに、生徒のことを省みず、いいアングルで撮影したいがために門扉脇ではテレビクルーが脚立に乗って、登下校の生徒を撮影しているではないか。もし万が一、登下校する生徒の頭の上にテレビカメラを落としたら、どう責任を取るつもりなのだろう。
 それにも増して、登校途中の生徒にインタビューを求めるのもいかがなものか。彼らも、この事件で一応傷ついているのだし、むやみに事件のことを聞き出すのは取材方法としてよくない。
 ま、東京のマスコミは、この生徒たちも、犯罪に荷担した野村証券の従業員と同類にしか思っていないのだろう。
 この学校のある先生の話では、事件の衝撃的な結末にも増して、校門前のマスコミ集団にも動揺し、授業が手に着かない生徒もいるという。
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