2001年の神戸空港ニュ〜ス

最終更新:2001年9月8日
空域の安全確保は「国の責任」 (01年9月7日)
 政府は7日、閣議で大阪湾上空の空域安全性の質問に対する答弁書を了承しました。
 これは民主党の鍵田節哉衆議院議員の質問趣意書に対する回答で、大阪湾上空の航行経路について「安全性が確保できるよう国の責任」で今後、検討するとしています。また神戸空港発着便の高度制限も「安全性は確保される」と断言しています。
 これまで空域の安全問題は国土交通省と神戸市の責任所在のなすりあいが続いていましたが、この答弁書により神戸空港周辺の空域安全確保は国の責任で行われることが明確になりました。
衆議院国土交通委員が空港予定地を視察 (01年9月5日)
 5日、衆議院国土交通委員の視察団15人が神戸空港予定地を船で視察しました。
 今回の視察で、国土交通委員会の赤松正雄委員長は「神戸空港反対の声もあるが、工事は着々と進んでおり、中止は難しい」との意見を述べました。
 視察団は大阪湾での公共事業の調査が目的で、関西空港2期工事や神戸港なども視察しています。
商工会議所、神戸空港の「国際便対応」を提言 (01年9月5日)
 神戸商工会議所の空港等地域プロジェクト推進委員会は、このほど「陸・海・空トータルシステムの構築に関する提言」をまとめました。
 提言では神戸空港と「同規模の地方空港でも国際便が発着」していることを例に挙げ、国内線専用空港として建設が進められている神戸空港に国際貨物の取り扱いの検討を呼びかけています。
 また全国の航空貨物取扱量が1995年度と2001年度を比較して増加していること(全国6.3%増、関空18.9%増)を理由に、国内貨物についても伊丹や関空と連携し、貨物便の全国路線網の確保を呼びかけています。
 神戸商工会議所は10月の市長選挙で矢田立郎前助役を事実上支援しており、矢田氏も立候補表明で神戸空港にチャーター便やビジネスジェットなどの国際便を就航させたいとの意向を示しています。
 なお、市長選挙の立候補予定者のうち、中江章浩氏と吉田順一氏も神戸空港の国際空港化には一定の理解を示しています。
自民議員団が妄想だらけ(?)の空港推進ビラを作成!! (01年8月10日)
 自民党神戸市会議員団は現在、中央区を中心に空港推進ビラを配布しています。
 ビラは表向きには「神戸に世界最先端の医療が集まる」と名付けられ、ポーアイ2期にある「先端医療センター」の解説と見学会の案内になっていますが、半分に折られた裏面には空港推進と住民投票の動きを牽制する内容が記載されています。
 特に空港に関する部分では事実に反する記述が多数書かれています。
 たとえば、いきなり「神戸空港からハワイ・シンガポールへ」と大見出し。しかもご丁寧にハワイの写真まで載せるほどの凝りようです。
 しかし市当局は、神戸空港を国内線専用空港として位置づけていることから、明らかに市民に誤解を与える内容です。
 また市長選挙の争点となりそうな住民投票についても「住民投票の会の人たちが一時凍結で市民の意見を聞くと云っていますが、一旦凍結すると100%中止につながります。」という、民主主義の原則に反する事柄が書かれています。そして推進派最大の政敵・共産党に対する批判もしっかり入っていることから、10月の市長選挙を意識していることがわかります。
 空港推進派は情報公開をして市民に理解を求めるといっていますが、このビラのように、事実と反する情報を流すことは、推進派にとってマイナスであるといえるでしょう。
 なお、このビラは、神戸市民だけが読むにはあまりにももったいないので、画像ファイルにして全世界に公開します。じっくりと読みたい方は下のファイル名をクリックしてください。
 □ 自民党神戸市議団ビラ:jimin.jpg (233,143バイト)
空港島、顔を出す!! (01年7月9日)
 1999年9月に埋立が開始された神戸空港島の一部が陸上に姿を現し、これを記念して7月9日、市当局と工事関係者らによる「陸成記念式」が行われました。
 今回姿を現したのは護岸の一部で幅10m、長さ100mの大きさがあります。式典では工事の安全を祈願した後、重さ5tの陸成記念の石碑を護岸中央部に設置しました。
 市によると、埋め立て工事は予定通り進んでいるとのことで、今年秋には護岸の全てが陸上に姿を現し、神戸空港の輪郭が海上に浮かび上がる予定です。
□ 関連:空港島の正しい利用法?! パロディサイト(?)のご紹介
神戸空港型構想楽園基地
 市民に愛される神戸空港っぽい施設の構想
神戸に米軍へリポート基地を!
神戸空港が抱える矛盾を一気に解決?!

「空の安全問題は解決済み」はウソ!!〜「空域調整はこれから」と国土交通省(01年7月1日)
 「神戸空港を考える会」が国土交通省航空局に出していた神戸空港に関する質問状の解答が、このほど同会に伝えられました。
 この中で国土交通省側は、飛行場設置許可を審査する際、伊丹や関空との空域調整を検討しなかったことを明らかにしました。
 これは国土交通省が空の安全よりも空港建設を優先したことを認めたことになります。
 また神戸市当局は空の安全確保は「解決済み」という立場をとっていますが、これはウソであることも証明されました。
 国土交通省は空域調整に「時間がかかる」とも答えており、もし開港直前までに空の安全が保証されなかった場合は、完成した空港に飛行機が寄りつかないということもあるかも。
貝原兵庫県知事、神戸、伊丹、関空の3空港一体運営を提言 (01年6月14日)
 6月14日、関西圏の知事、市長、財界人らが出席して行われた「関西サミット(関西広域連携協議会理事会)」で、既に辞任を表明した貝原俊民兵庫県知事(神戸空港促進協議会会長)は関西国際空港、伊丹空港、神戸空港を一体的に運用する提案を行いました。
 貝原知事は現在工事中の神戸空港や関空2期を含めて3空港の滑走路は4本であることを指摘し、これらは「海外では1つの空港規模」であり、3つの空港が、それぞれ違う運営主体(伊丹=国営、関空=関空会社、神戸=市営)でいいのかと疑問を投げかけました。
 これに対して、笹山幸俊神戸市長は「将来的に(貝原提案を)考えていかないと対応できないだろう」と答えています。
助役3人制復活。新助役に元空港整備本部長 (01年4月1日)
 笹山幸俊市長は、昨年8月の山下助役の急逝で空席となっていた助役ポストに神戸市社会福祉協議会専務理事で元空港整備本部長の矢田立郎氏(61)を起用することを決め、3月29日の市議会で承認されました。
 矢田氏は3月29日、助役内定の記者会見を開き、神戸空港問題について「残された課題をひとつひとつ解決し、市民理解を十分に得られるよう努める」と発言し、空港問題が、今も市民に理解されていないとの認識を示しました。
 なお、矢田氏は神戸市在職中に空港整備本部長を務めた経験があることから、助役就任後は空港事業を受け持つ港湾整備局の担当助役となります。ちなみに新助役の任期は4月1日から4年間。

神戸空港が肉眼で見えてくる〜神戸市予算案から (00年3月1日)
 2月21日、市は2001年度予算案を発表しました。一般会計と特別会計を会わせた予算規模は2兆292億2500万円で、前年度を2%下回りました。
 笹山市長が「財源は非常に少ないが重点的な配分に努めた」と豪語する2001年度予算案の目玉は一般会計8505億円の17%以上を占める市債の返済(1486億円)。これは震災直後の復興対策で発行した市債の償還期限がきたもので、ある程度やむを得ない面があるものの、市の貯金に当たる基金が2000年度で底を突いたため、借金の返済に再び借金を積み重ねる「自転車操業」がより際だつ形となっています。ちなみに震災関連の市債返済のピークは2004年度に到来し、その後は神戸空港関連の市債が市の財政を襲う予定です。
 2001年度予算案では高齢者対策が拡充される一方で市立大学、高専の入学金、市立高校、幼稚園の授業料が国・県の基準改定にともなって軒並み引き上げられることから、若い世代に市の自転車操業のツケが回っていると思われても仕方のない予算案となっています。
 そして注目の神戸空港間連では空港施設用地費、ポートアイランドと空港島を結ぶ連絡橋工事費など484億7000万円が計上されました。また2001〜02年度のうちに神戸空港を運営する第三セクターを立ち上げ、空港事業費を特別会計で処理する方針が盛り込まれています。
 また今年度は、99年から進められてきた護岸工事が終了し、神戸市長選挙が行われる頃には神戸空港の形が肉眼で確認できる予定です。
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