2000年の神戸空港ニュ〜ス

最終更新:2000年12月24日
神戸空港に国費19億4200万円投入!! (00年12月24日)
 12月24日午前中の閣議で決定された来年度政府予算案の中に、神戸空港関連予算が含まれていることが明らかになりました。
 この予算は運輸省航空局が全国15か所の地方空港造成費用として要求した中に含まれ、要求額の満額が来年度予算に計上されます。
 具体的には、用地造成費用と工事用の無線設備、照明設備の諸費用として19億4200万円の予算が投入されます。
住民投票議員団から新社会党が離脱 (00年11月13日)
 神戸市会で新社会党籍を持つ議員5人が11月13日、新会派「新社会党」を結成し、これまで所属していた住民投票議員団から離脱しました。会派としての「新社会党」が市会に復活するのは2年ぶりです。
 新社会党は1998年11月の住民投票条例案を審議する臨時市会の直前に、住民投票に賛成する無所属議員らとともに「住民投票議員団」を結成しました。住民投票条例案が否決された後も住民投票議員団は会派として存続し、今年5月の市長リコール運動では市会唯一のリコール推進会派として活動していましたが、リコール運動は失敗し、神戸空港の是非を問う方策は尽きていました。
 その中で新社会党は単独でも議会運営委員会に議員を出せる交渉会派(議員数5人以上)になれることと、支持者から来年夏の参議院選挙を有利に戦うためにも、党名を前面に打ち出し、存在感を示したほうがよいという声もあることなどから、今回の離脱を決意したものと見られています。
 なお、住民投票議員団の無所属3議員は、新社会党脱退後も住民投票議員団として議会で活動していくことが決まっていますが、市会での交渉会派の資格を失うことから発言力が弱まることは必至です。

11月13日現在の神戸市会議席数
※空港推進派(49)
自民党=15、民主党=14、公明党=14、自民党新政会=6
※空港反対・凍結派(23)
共産党=13、新社会党=5、住民投票=3、さわやか神戸市民の会=2

ポートライナー「空港線」、計画縮小 (00年9月20日)
 神戸市は同市の第三セクター「神戸新交通株式会社」が運営を予定している新交通システム「ポートライナー空港線」計画を当初計画より1.3km短縮することを発表しました。神戸空港関連の事業では初めての事業縮小となります。
 1998年に発表された「空港線」計画では、ポートアイランド市民広場駅から空港島西側まで延伸する予定でしたが、このほど発表された修正案では終点を空港島の西側から東側に移し、その分の路線を短縮するとしています。
 計画変更の背景には、ポートアイランド2期の企業進出が進んでいないことと、神戸新交通が運営する2つの路線の乗客が減少していることで、累積赤字が増加していることなどがあげらています。
 空港への延伸計画では総工費1200億円が見込まれていますが、市は今回の計画縮小により、事業費のうち310億円を圧縮することができるとの見通しを示しています。
 また空港開港10年後(2015年)のポートライナー利用者数について、計画当初、1日15万人が利用すると予測していましたが、1日10万人に下方修正したことも明らかになりました。
 ちなみに現在のポートライナーの利用者数は1日当たり約38000人(1999年度)です。
山下彰啓助役、死去 (00年8月8日)
 神戸市助役で「次期市長候補」「ポスト笹山」と目されていた山下彰啓助役が8日、入院先の病院で亡くなりました。59歳でした。
 山下助役は95年7月に助役に就任。震災復興事業で、都市基盤再生のプロジェクトを強力に指揮してきました。
 また、98年11月の「神戸空港の是非を問う住民投票条例案」を審議する臨時市議会では、住民投票賛成派議員の質問に対し、市長よりも答弁に立つ回数が多かったことから「市長より助役が偉いのか」と言われるほど、空港建設に熱意を傾けていました。
 山下助役の神戸空港関連の発言については、98年11月12日の臨時市議会ドキュメントをご参考ください。
扇建設大臣、神戸空港にもの申す?! (00年7月5日)
 7月4日に発足した第二次森内閣で初入閣を果たした神戸出身の扇千景建設大臣は、7月5日の就任後記者会見で神戸空港問題に触れ「関空、伊丹、神戸の管制塔の短さはこれでいいのか?(管制が)混乱するのでは」と発言しました。
 神戸空港は伊丹空港とともに関西国際空港が一元的に管制することから、神戸空港が完成しても管制塔間の距離が短くなることはありえません。しかし、大阪湾上空の航空路は伊丹・関空を離陸する便がひしめき合い、ここに神戸空港が完成すると、神戸空港を離陸する飛行機は空港周辺で長時間の低空飛行を強いられるため、その危険性が現役パイロットなどから指摘されています。
 扇建設大臣は、さらに「同じ兵庫県内で(神戸空港を建設するならば)伊丹空港をやめる判断があってもいいのではないか」との認識を示しました。
リコール署名は87,655筆 (00年5月26日)
 5月26日、「リコールの会」よりリコール署名の最終集計が発表されました。
 受任者から郵送で寄せられた署名も含めた最終的な署名数は87,655筆。リコールに必要な39万人を大きく下回りました。
 また運動失敗で「リコールの会」は5月31日の集会をもって解散することも発表されました。
リコール不成立へ (00年5月21日)
 「沈黙は承認の印」を合い言葉に4月21日から1か月間で行われた「神戸市長リコール運動」は5月21日に法定期限を迎えました。
 日曜日に当たった最終日は市内21か所で署名活動が実施されましたが、署名数は法定数である市内有権者の3分の1(約39万人)に達しないことが、ほぼ確実となりました。
 「リコールの会」では、今回の運動について「有意義な活動だった」と総括しましたが、市民の諦めムードに加えて、リコールの一因となっている神戸空港も着工しており、政令指定都市初の市長リコール運動は終始、盛り上がりに欠けました。
 5月26日頃に「リコールの会」から最終的な署名者数が発表される予定ですが、ある関係者は「10万筆を少し超える程度ではないか」と予想しています。

※関連記事:リコール運動の問題点(99年9月14日発表)
※関連資料:神戸市長解職請求書〜請求の要旨


市、2000年度予算案、空港建設費は倍増の776億円!!(00年3月1日)
 2000年神戸市予算案における神戸空港建設費が776億円であることが判明しました。これは99年度予算の378億円の倍以上の増加率です。
 主な内訳は、すでに建設が進められている護岸建設費、ターミナルビルなどの空港施設設計費、広報費。これとは別に神戸市が経営する大赤字の第三セクター「神戸新交通」のポートライナー空港線の調査費2億3000万円が予算案に盛り込まれ、実際の空港関連予算は778億に達する見通しです。
 しかし、2000年度は市税収入が前年度よりも減少するのに加え、震災復興で発行した市債の償還が始まることから、市の台所は、これまでにも増して火の車です。その一方での空港建設費倍増の影響は、行政サービスの低下として表れることが確実となりました。
 今年度に限って言えば、市営火葬場の使用料が倍額になり、さらにこれまで市が負担していた病院初診料も1回1000円を徴収するとしています。
 また2001年4月からは市立大学の入学金、授業料も値上げされます。特に入学金は9万円以上の値上げです。
 そして、空港が開港すると経済効果が大きいとされる観光施設の入場料も、空港建設が進むほど値上げに拍車がかかっています。
 すでに昨年秋からは無料で公開されていた市営異人館「風見鶏の館」「萌黄の館」が有料となったのをはじめ、今年4月からは王子動物園、森林植物園、須磨離宮公園の入園料の値上げ、7月には須磨海浜水族園の値上げが、それぞれ実施されます。
 空港が開港する2005年、市内の観光施設の入場料がとてつもなく高額になって、空港の存在そのものが、観光業界の足を引っ張らなければいいのですが…。
●「市長リコール・神戸の会」発足 (00年1月22日)
 神戸空港が着工して早4か月。ポートアイランド沖には護岸が建設され、空港の形が肉眼でもわかるようになった1月22日、神戸空港建設を強行した神戸市長の解職を求める「市長リコール・神戸の会」が正式に発足しました。
 会では「3月31日からリコール署名を集めたい」とし、22日から受任者を募っています。市長リコール請求は市内有権者の3分の1以上の署名を集めなければならず、約40万人以上の有効署名を1か月であつめる必要があります。ちなみに98年の住民投票条例直接請求で集められた有効署名は約30万人でした。
 しかし、住民投票直接請求署名運動で主力となった共産党が市長リコール運動に参加しないことと、市民の関心も3年前の住民投票直接請求署名運動の時より希薄になっていることから、リコール成立は微妙な情勢です。また、仮に市長リコールが成立したとしても、その後の市長選挙への有力候補がいないため「リコール運動」は現実的ではないという声も一部の神戸空港反対派からささやかれています。
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