1999年前半の神戸空港ニュ〜ス

最終更新:1999年3月8日
予算特別委員会で空港問題激突!! (99年3月8日)
 予算案を審議している市会予算特別委員会は8日、空港工事費をめぐって反対派、推進派がバトルを繰り広げました。
 委員会には5件の空港計画を疑問視する陳情が寄せられ、市民による口頭陳述が行われました。陳述では住民投票の否決で民意を問うていない空港の工事費を予算案から削除するよう求める意見が述べられました。
 これに対し、市当局の空港予算案に対する説明が行われ、この中で山本信行港湾整備局長は、(1)空港建設中の雇用創出効果は48000人、工事発注や資材購入はなるべく地元業者に発注する…との意見を明らかにしました。市民から寄せられた5件の陳情は後日、与党委員多数により全件不採択の見通しです。
「空港ニュース」の監査請求を棄却!! (99年3月5日)
 「神戸空港を考える会」から出されていた市長の空港説明を掲載した「広報こうべ」98年11月号、12月号と「神戸空港ニュース」19号(99年1月)に対する監査請求について、5日市監査委員は「必要は認められない」と棄却しました。
 監査委員は空港計画の広報について「現段階で提供できる情報を適正に広報している」としています。詳しくは本誌1月5日の記事をご覧ください。
 その一方で、神戸空港促進協議会は市が発行している「神戸空港ニュース19号」と全く同じで、上質紙・全ページカラーの「ひらけ未来へ!神戸空港」と名付けたリーフレットを作成し、全戸配布しており「空港ニュース」の存在理由を推進派自ら否定しています。
 促進協が「空港ニュース」と全く同じものを発行するなら市は貴重な税金で「空港ニュース」を作る必要はありません。
市議選立候補説明会に130陣営!! (99年2月22日)
 22日、4月11日投開票の神戸市会議員選挙の立候補者説明会がハーバーランドの産業振興センターで行われ、立候補を予定している130の陣営が出席しました。そのうち現職は64陣営で、出席した過半数が新人、前職の陣営でした。
 市議選の立候補は告示日の4月2日9時〜17時まで各区の選挙管理委員会で受けつけ、投票は4月11日(不在者投票は4月2日〜10日)7時〜20時に行われます。
 ちなみに大地震直後の前回市議選は定数72に対して116人(現職57、前・元5、新人54)が立候補しています。

市民をあざむく『神戸空港ニュース』 (99年2月22日)
空港ニュースより転載 2月1日付け『広報こうべ』とセットで全戸配布されている「神戸空港ニュース」20号に事実と違う記述が発見されました。
 問題の記述はニュース一面下半分を使って説明されている「音を小さくする技術改良が進んでいます。航空機の70デシベル以上の騒音範囲」です。
 これは「住民投票の会」メンバーが記事の根拠資料を市へ公文書公開請求し、そこで出された運輸省航空局作成の資料と空港ニュースを照らし合わせて発見したものです。
 市が記事の根拠とした航空機騒音の資料によると、20年前のボーイング727型機の70デシベル以上の騒音の影響範囲が離陸地点から「35km」としているのに対し、神戸空港ニュースではこれを「32km」地点に図示。
 さらに現行のボーイング767型機でも運輸省資料では同様に「11〜12km」としているにも関わらず神戸空港ニュースでは「10km」地点に図示していました。
 この事実に対し「神戸空港ニュース」を発行している市港湾整備局空港整備本部では「意図的に(数値を)小さくしたものではない」とコメントしていますが、市が全世帯に「空港推進」を目的に配布している広報紙だけに、単なる誤記では済まされません。

住民投票グループ、市議選へ向けて第一次推薦候補発表(99年2月21日)
 「住民投票の会」の代表世話人らで発足した「住民投票運動から新しい神戸を創る会」は21日、4月11日投票の神戸市会議員選挙へ向けて、住民投票賛成派の「新社会党」「さわやか神戸市民の会」と無所属の立候補予定者15人を推薦すると発表しました。内訳は現職議員8人、前職1人、新人6人。
 同会は今後も住民投票賛成派の共産党公認候補や市民派の立候補予定者にも推薦や共闘を呼びかけ、また独自候補擁立も検討する予定です。
 最終的には市議会過半数の37人以上の候補者を推薦し、議員提案による住民投票条例制定を目指します。
 なお、現職議員で住民投票賛成派の小山乃里子議員(東灘区・無所属)は「議員の限界を感じた」ことを理由に次期市議選に不出馬を表明しています。
神戸市予算案に空港工事費378億円!! (99年2月13日)
 市は13日、99年度予算案を公表しました。
 総額は一般会計8874億7100万円、特別会計1兆1828億5500万円の合計2兆703億2600万円。
 歳入のうち市税収入は前年度比マイナス4.8%の落ち込みが見積もられている中、神戸空港工事費に378億円が計上されました。これは運輸省の埋立認可を見越して計上されたものです。
 空港費用378億円の主な内訳は海底地盤改良工事費用として346億円、護岸工事費、ターミナルビル設計費などに32億円となっています。
 99年度工事費用の9割以上を占める「海底地盤改良工事」とは、空港島予定地の海底を30m掘り下げ、土台となる土砂で再び水深6mまで埋め戻すというものです。
 つまり、99年度予算案から、来年3月末までに、神戸空港島の土台と護岸は完成させるという当局の思惑が露骨に見えてきます。
 また、空港反対派対策として、来年度、市幹部が地域に出向き、神戸空港の必要性を説く住民説明会「出前トーク」を計画しています。
 これらの予算案は2月17日から議会で承認を得るため審議にかけられます。
住民投票臨時市会・議事録公開 (99年2月13日)
 市会は、このほど昨年11月の住民投票条例案審議の臨時市会本会議の議事録『平成10年第2回臨時市会会議録』を市内の各図書館を通じて公表しました。
 すでに議事詳細は、本誌で即日公開しましたが、『会議録』は公式記録としてはもちろんのこと、住民投票条例案に付された市長意見、神戸空港推進決議が原文のまま掲載され、しかも、どの議員が住民投票条例案に反対したのかも克明に記録されています。
 また、定例の会議録とは違い、「(議場喧噪)」「(傍聴席喧噪)」の語句が至る所に入るなど、あのエキサイティングな市会が活字で再現されています。
 なお、委員会審議については、議事録作成に空港推進派が反対したため公開されません。(そのやりとりも、この『会議録』に掲載されています)
 目印は水色の表紙。すべての市立図書館で閲覧できます。
市、運輸大臣に空港島埋立認可申請書を提出 (99年1月26日)
 26日午前、市港湾整備局幹部が運輸省を訪れ、空港島埋立の認可申請書を運輸大臣に対して提出しました。
 これは、市が行う空港島埋立の手続きが終了したことを意味し、申請書を受理した運輸省は環境庁の意見を聴きながら、空港島埋立について審議します。
 しかし、認可手続きに必要な議会の同意を求める市議会で、申請書に必要な環境影響評価書でふれていない新事実が発覚するなど、極めて不適切な手続きで埋立申請が進められています。
 また、環境庁も1997年3月に空港島埋立を黙認したことから、運輸省は行政手続き上、遅くとも今年の8月には市に対して埋立を認可する見通しです。
 着々と手続きが進められる一方で「神戸空港を考える会」など神戸空港計画に疑問を抱く市民グループの代表らが神戸市役所を訪れ、認可申請に対する抗議書を提出しました。
 また「神戸空港・住民投票の会」などでは運輸省、環境庁に対する埋立認可凍結を求める請願署名運動を展開しています。同会では3月中旬までに30万人分の署名を集めたいとしています。
 この署名は、昨年夏の「住民投票直接請求署名」と違って、未成年者でも市外の人でも署名できます。また「神戸市民投票を実現する会」では、ほぼ同内容の署名をインターネット上で受け付けています。
怪しい「神戸空港ニュース」に監査を請求 (99年1月5日)
 神戸市民を新年早々いきなり不快にさせてくれた、1月1日付「神戸空港ニュース19号」の発行に対し、「神戸空港を考える会」は5日、市監査委員に対し空港ニュース発行と配布費用の返還を求めるための監査を請求しました。
 請求された監査の対象は市長の空港説明を掲載した「広報こうべ」98年11月号、12月号と、今年1月号に折り込まれた「神戸空港ニュース19号」。
 「神戸空港ニュース19号」は、これまでの市当局の説明をイラストや表などをふんだんに使ってヴィジュアル化しただけのタブロイド判4ページで、そのうち見開き2ページ分がカラー印刷されています。
 4ページの「神戸空港Q&A」で「空港の建設には市民に負担をかけないと言うことですが具体的に説明してください」との問いに対し、市会での空港推進決議で「市税は使わない」と断言したにもかかわらず、この設問の答では「市税を使わないようにする予定です」とトーンダウンしています。
 余談ですが、この「Q&A」のタイトル横の女の子のカット。正月早々、借金苦のため、身ぐるみをはがされたのか、半袖で寒がっています。将来の神戸市(民)を予感させる1コマです。
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