98年9月の神戸空港ニュ〜ス |
最終更新:1998年9月28日 |
●環境アセスメント終わる (98年9月28日) |
神戸空港島埋め立ての環境アセスメント手続きを進めていた市環境影響評価審査会(会長=田中茂神戸大学名誉教授)は9月28日、笹山幸俊市長に「答申」を提出しました。 「答申」では、環境アセスメントは「おおむね適切」とし、「準備書」に対する異論はありませんでした。 ただし答申に基づいて作成される「評価書」は「市民に理解しやすい表現」にするように求めています。 「評価書」は後日、市民に対して縦覧が予定されていますが、神戸空港の環境アセスメント手続きは、答申を受けて事実上、終了します。 なお、「答申」についての解説は「『アセスメントは、おおむね適切に実施されている』のウソ」をお読みください。 |
●「良識ある神戸っ子の紳士淑女録」、選挙管理委員会へ提出(98年9月25日) |
いよいよ住民投票条例直接請求は第2ラウンドに突入しました。 352,755人の「良識ある神戸っ子の紳士淑女録」ともいうべき条例請求署名簿は請求代表者から地方自治法に基づく審査のため、各区の選挙管理委員会に提出されました。 有権者の30%が署名したことになります。特に東灘区、灘区、須磨区での署名者は有権者の3分の1を超え、灘区では有権者比40%を超えています。 正確な署名者数は選挙管理委員会が無効署名のチェックを行い、20日以内に告示することになりますが、いずれにせよ条例請求に必要な2万3千人を突破するのは告示を待つまでもないでしょう。 また、35万人あまりの署名は条例請求署名では空前の数字であるため、空港推進の先頭に立つ市長、条例案否決派が多数を占める市議会の対応が全国的に注目されます。 しかし市は「空港計画は議会と話し合いながら着々と進めてきたので住民投票をする段階ではない」とのコメントを出しています。 各区別署名者数と神戸市有権者数の対照表はここをクリック |
●住民投票に危機感、商店街連合会などが空港促進の要望書(98年9月24日) |
24日午後、神戸市商店街連合会などは市内104の市場、56の商店街と連名で「神戸空港促進」の要望書を笹山幸俊市長に手渡しました。 要望書は「震災後、神戸空港の必要性はますます高まっている」「景気回復、雇用促進には空港は必要」といった内容になっています。 同連合会は「神戸空港問題では住民投票条例署名ばかりが注目され、推進派の声が聞こえてこないため」空港建設促進の要望書を市長に提出したそうです。 |
●与党議員、謎の沈黙(98年9月23日) |
住民投票条例直接請求署名の収集期限の翌日である21日、市会与党議員全員がマスコミ各社の取材に対し取材拒否を決め込んでいることがわかりました。 取材に対し、すべての与党議員は、口を揃えて「近く共同でコメントを発表する」と答えているそうです。 市当局者の間で「予想外の署名数」という声が漏れてくる中、与党議員の沈黙は不気味です。 |
●30万人署名達成へ手応え。「住民投票の会」が会見(98年9月20日) |
「住民投票の会」は署名期限の20日午後、三宮のフェニックスプラザ・常設署名会場で記者会見を行い、20日13時現在の中間集計で238,376人分の署名が集まったことを発表しました。 この数字は法定数の10倍、有権者の5人に1人が署名した計算になります。また97年10月の市長選で、空港凍結を訴えた大西和男候補の得票数225,230票を大きく上回り、「連合・5党協議会」が主張する「空港問題は市長選で決着済」を数の力で論破したことになります。 同会の平田康事務局長は、未回収の署名簿が多数あり、最終的には目標の30万人を超えるとの見通しを明らかにし、市当局へ情報公開を、推進派市会議員へ住民投票条例制定を訴えました。 この日は、23時から24時まで、三宮で「カウントダウン住民投票」と題した、最後の署名活動が行われ、神戸の「熱い」夏が終わりました。 署名簿は25日までに選挙管理委員会に提出されます。 |
●神戸商工会議所、早期実現の要望書を市長に提出(98年9月19日) |
「住民投票の会」中間集計で署名者が20万人を突破した19日、空港推進派の中心である神戸商工会議所が、ついに動きました。 19日午後、神戸商工会議所の牧冬彦会頭は市役所を訪れ、笹山幸俊市長に「神戸空港早期実現の要望書」を直接手渡しました。 要望書は神戸商工会議所をはじめ神戸の経済団体、業界団体69団体が連名で「雇用増大、震災復興」のためにも神戸空港を早期に実現するよう、市に要望する内容となっています。 |
●連合兵庫、『週刊文春』などに厚顔無恥な抗議(98年9月17日) |
9月10日に発売された『週刊文春』の記事「菅直人民主党代表は神戸市民を裏切るのか」(田中康夫氏)に対し、連合兵庫は石井亮一会長名で「空港賛成者や行政担当者への悪意で埋められている」ため、同誌編集部と田中康夫氏に対して記事の取り消しと謝罪を求める抗議書を提出しました。 しかし「連合兵庫」は神戸で、市長のお墨付きを受けた住民投票条例請求署名活動に対し「共産党、新社会党の選挙運動に利用されている」との旨の事実に反するビラをまくなど、露骨な「署名反対」活動をしています。 また、川崎製鉄、神戸製鋼所、百貨店の「そごう」などでは「連合兵庫」と会社が協調して「直接請求署名禁止令」を出し、組合員(社員)の締め付けを行っています。 なお、地元サンテレビで16日放送された「震災特集〜神戸空港と住民投票」では川本善雄「連合兵庫」事務局長は「住民投票に異議はないが、現在の署名活動には反対である」という、とんちんかんな意見を述べています。 本誌をご愛読の「連合兵庫」組合員の皆様へ、下記の法律条文を捧げます。気をつけましょうネ。
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●促進協に「税金」が投入されていた!!(98年9月13日) |
神戸空港建設促進協議会(貝原俊民会長)に、兵庫県から7000万円、神戸市から6500万円の合計1億3500万円の税金が投入されていたことが、このほど日本共産党兵庫県議団の調査で判明しました。 これらの税金は、9月4日付け『神戸新聞』朝刊の全面広告や新聞折り込み広告など、住民投票運動つぶしに使われています。 この事実は「神戸空港に税金は使わない」の嘘を「促進協」自身が証明したようなもの。促進協のキャッチフレーズ「ひらけ未来へ!」の「ひらけ」とは県と市の一般会計(つまり私たちの税金)の財布だったのです。 |
●推進派『神戸新聞』に意見広告(98年9月4日) |
神戸空港建設促進協議会(空港促進協)は9月4日付け『神戸新聞』朝刊に「神戸空港 本格的『空の時代』 人・物・情報の交流拠点を!」と題した意見広告を掲載しました。 意見広告は「国際都市神戸の魅力アップ〜陸・海・空の交流拠点」「みなと神戸の活力は、空港とともに〜本格復興へ期待される経済効果・雇用増」「伸びる航空需要〜足りない日本の空港」の3つの記事から構成されています。 まず「国際都市神戸の魅力アップ〜陸・海・空の交流拠点」の項目では、神戸空港の概要を紹介、また「地形、空域などの制約条件から外国に見られるような巨大なハブ空港を整備することは不可能」という前提で「大阪湾周辺では関空、大阪空港」に「神戸空港を加えることによって、2000メートル以上の滑走路が、ようやく4本となり、関西圏の増大する航空需要に対応することができる」としています。 また「みなと神戸の活力は、空港とともに〜本格復興へ期待される経済効果・雇用増」の項目では、神戸空港の開港で、2010年には市内の雇用者数は約27500人増加、市内の所得が3600億円増加し、「卸売・小売業、金融・保険業、製造業、サービス業は500億円以上の所得増加が見込まれる」としています。そして「震災から3年7カ月が過ぎた神戸は次代をにらんだ本格的復興の段階に入っている。国内の景気低迷の状況下、神戸空港の整備は、域内経済の活性化を図るうえで極めて重要な要素となっている」と締めくくっています。 さらに「伸びる航空需要〜足りない日本の空港」の項目では「関西圏はカナダやブラジル一国に匹敵する経済規模」があり「その中にあって神戸都市圏では利便性の高い空港の整備が求められている」とし、市の空港開港時の利用予測を発表しています。 利用予測では開港時(2005年)は年間340万人、2010年には420万人の利用を見込んでいます。 意見広告の最後では「空港が不可欠な都市基盤となるなか、次世代に対応した都市型空港として神戸空港への期待は高まっている」と結んでいます。 ただし、この意見広告では「総事業費3100億円」としていますが、その財源が明らかにされず、また、空港の環境への影響には全く触れていません。 「促進協」は相も変わらず、市民に都合の悪い情報を開示しませんでした。 |
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