神戸空港島環境アセスメント・審査会答申

1998年9月28日
「アセスメントは、おおむね適切に実施されている」のウソ
 神戸市環境影響評価審査会(会長=田中茂神戸大学名誉教授)は9月28日、笹山幸俊市長に対し環境影響評価審議会の答申を提出。環境アセスメントは「適切に実施されている」との誤った答申を市長に示しました。
 環境アセスメントでは本誌既報の通り、住民説明会公聴会の会場に市当局は警察官を投入し、出席した一般市民を敵視する姿勢を見せ、港島小学校で行われた住民説明会の質疑応答では市民の質問の挙手が続く中、質疑応答を一方的にうち切るなど、市当局の市民の意見を聞く態度は全く見受けられませんでした。
 しかも公聴会では、空港反対派の締め出しはかるため、公述人を「中央区民だけ」に絞るなど、きわめて不適切なアセスメントが行われてきました。

 環境アセスメントのたたき台となる「環境影響評価準備書」でも「環境に及ぼす影響は軽微」の語句ばかりで、市民生活上、不都合な情報は全く開示されていません。
 特に空港予定地直下の活断層の記述では、多くの地質学者らから間違いが指摘され、特に断層の活動について「過小評価」との声が挙がっているにもかかわらず、審査会の答申では、その誤記を指摘していません。
 それなのに「準備書」の修正箇所は、市民に公表される評価書では「市民にわかりやすい表現に書き直す」だけにとどまりました。
 なお、今回の答申では準備書で触れていない「人工ラグーン(海水浄化池)」について「空港完成後も定期的に(人工ラグーンの)監視をするための監視組織の設置」「市民の理解を得るため積極的に調査結果を公表」するよう提言しています。

 市長は環境影響評価審査会の答申を受け、空港島の埋め立て手続きに入りますが、環境アセスメントを追い続けた本誌編集部としては、アセスメントそのものが不適切なため、市当局に対し、もう一度、環境アセスメントをやり直すよう強く要求します。
 この後の具体的な手続きは、ここをクリックしてご確認ください。

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